クラウゼヴィッツは数字上の優位性が「勝利するための最も大きな原則」としています。また、アダム・スミスは「国を問わず、最も明確な繁栄の印は住んでいる人間の数が増えることである」と断言しています。すなわち、人口そのものが、国家の経済力と軍事力の基礎になると考えます。19世紀末に大英帝国はアメリカ合衆国に人口で抜かれ、アメリカに対する優位を失い覇権を委譲しました。ルクセンブルクは現在、ヨーロッパで最も繁栄している国の一つだが人口が少ないために国際の中で重要性は非常に低いようです。以上の例だけを見てもらえると分かる通り、人口減少によっては国家が衰退するのは自明の理であるわけです。
平成27年の厚生労働書が「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」で示された人口の見通しは失敗し、人口は2100年には人口は4000万人強となり、日本はこのままでは中流国に転落すると思われます。理由は以下の通りです。
安倍元首相の所信表明演説で述べた少子高齢化を克服すると称して「生産革命」と「人づくり革命」を打ち出していますが、いずれも失敗に終わりました。例えば、企業による設備投資は増税によって腰折れになりました。また、幼児教育、高等教育無償化は出生率を上げる要因になりうるかもしれませんが、マルクスが共産党宣言の中で教育無償化を述べており共産主義政策そのものであり、教育の質を低下させ、国家を衰退させることになります。
私は日本の少子化に対して2つの処方箋を提言します。一つは大胆な移民政策と、もう一つは食糧増産計画です。概要は以下の通りです。
我が国では年金問題が逼迫しており、この問題の解決は急務であります。二つの問題を大胆な移民政策によって一気に解決します。日本人の気質から移民政策は不向きと捉える趣向もありますが、むしろ逆です。日本は渡来人を受け入れて来た移民国家でした。その規模は、弥生時代初期(紀元前300年)から飛鳥時代末期(紀元後700年)で100万~300万人程度だったとされています。8世紀当時の日本の人口が約500万人だから、ものすごい数の移民でした。安土・桃山時代は欧米人を戦中、戦前は朝鮮人、支那人の移民を受け入れてきました。国内の保守派からは移民によって国家のアイデンティティーが失われるのではないかと心配される赴がありますが、心配はないと思います。カナダやニュージーランド、オーストラリアでは移民政策によりイギリス系の人口は減っていますが、新たにやってくる移民もいまだに故国であるイギリスから持ち込まれた社会習慣に従います。英語は今でも主要言語です。政治制度は故国の色が出ています。以上の例から大丈夫だと思われます。アテネやスパルタが没落を早めた原因は、異邦人とまじわらず祖先の純血をたもとうとした狭量な政策にあったという歴史の教訓を念押ししておきます。
もう一つは食糧増産計画です。マルサスは人口論という著書で「人類の増加は、生産手段の増加と同量に維持できる」と述べています。
我が国では現時点で食糧自給率の4割を切っており、このまま人口が増えると危機に陥ることは想像に固くありません。我が国では埼玉県分の面積の農地が今、放置されており、食糧増産については研究の余地があると思います。