「フランス国民の王」としてフランス革命後の1830年七月革命で王政をしいたオルレアン公ルイ・フィリップの名をつけた橋を渡ると、大通りを横切り坂道になったルイフィリップ通りにつながっている。
この通りは「文房具屋通り」でもある。いかにもフランスらしい色使いのレターやノートが並んでいるお店が数件、のぞいてみるだけの価値はあるけど今日は一本西側の、パイプオルガンで有名なサンジョルベ・サンプロテ教会の裏手にあたるバール通りを歩こう。
 緩やかな棚田のような石畳の登り坂が蛇行するこの通りはしばしば写真にも使われる。イタリアトスカーナ地方の田舎町にでもあるような風景だ。左手は教会の裏手、右手にはカフェレストランや教会付属の修道院経営のクッキーやコスメを扱うお店がある。坂道の入口の右手は「パリ2時間ウォーク(中央公論新社)」の中で、井上明久が文章を書き藪野健がスケッチしたカフェレストラン「シェ・ジュリアン」があり、ガラス戸にそのページの切り抜きが貼ってある。

向かいにはグリーンと白のストライプのテントが張り出しテラスのエリアが植え込みで仕切られた「カフェ・ルイ・フィリップ」がある。

 僕はこちらのカフェに弟とランチで入ったことがある。
 数年前、僕よりパリに来た回数が圧倒的に多い彼が入口のメニューに虹鱒のアーモンド焼きと書いてあるのをみて、入りたがり、付き合ったのだ。

その時僕はじゃがいものグラタン(グラタンドーフィノワ)を頼んだのだが付け合わせのチキンソテーの量の多さに参ってしまった。メインはむしろチキンじゃないか、とジーンズ姿の店員のオヤジに言うと髭面に笑みを浮かべて「ノンノン、この料理はグラタンドーフィノワが主役なのだ」とのたまった。

ちなみにこのカフェは、丸善の洋書コーナーで購入した「PARIS500」という、まさに500枚の写真集の表紙を飾っている。ストライプのテントが確かにしゃれているせいか。ついでにあの髭面ジーンズのオヤジもお店と一緒に表紙に登場すればいいのに。

$ジャンポール秀のブログ