期待をかけていた三連休を風邪で台無しにしたことから2週間。

風邪も治り、2連休(私はシフト制の仕事なので、2日連続で休むのもなかなか難しかったりします)がやってきた!ということで、今回こそ遠出の山にいかねばならない、と息巻いていました。

しかし、その日が近づくに連れ、だんだんと天気が怪しくなってきて、どこに行きたいかというよりは、天気との相談、みたいになってきたのですが、相談といっても天気予報を何度見てもなかなか良さそうな山が見つかりません。


私の場合は公共交通機関でアクセスできる場所、という制限もあって選択が難しく、前々日まで決めかねた挙げ句、直前になってやや予報が好転した白馬岳に行くことにしました。


私は山の天気予報は有料会員のものに入っていません。定番のてんきとくらすは、ざっくりとあたりをつけるときに利用するのですが、これがなかなか、特に微妙な場合は当たらないことがあります。

山のアプリはヤマレコをメインに使っています。ヤマップのアプリも入れていますが、ヤマレコの質実剛健な感じが好きで、ずっと両方を無料で使っていたのですがヤマレコへの感謝の意を込めて有料会員になりました。

その、ヤマレコの社長さんが最近Youtubeを始めたのですが、これがまた質実剛健っぷりを発揮していてよいです。


そのYoutubeで山の天気の話をしてくれていて、日本では無料で山の天気を予報できない、的なことを言っていました。

だからてんくらも、かなり?な感じの予報だそうです。

私の経験上も、?と思っていたので、その時紹介された海外の無料サイトのWindyと、検索したらでてきたMountain weather forecastも見始めるようになりました。

しかし見方がよくわからず、これで見るといい天気!みたいのはほとんどないのです。


王道の日本気象協会、ウェザーニュースなども見比べつつ、総合的に判断‥できなかったのですが、日本気象協会の予報が直前で好転し、それに伴い?てんくらの予報も好転、ウェザーニュースとMountainWeatherForecastは微妙なまま、というところで、好転にかけることにしようということと、白馬であれば交通のアクセスが良く、かついつも取れない夜行バスが、天気の悪さでキャンセルが相次いだらしく、空きが出たのでそれにした、ということで白馬に決めました。


しかし皆様の判断が正しかったのです。

はじめての白馬岳、結局いい天気だろう!と勝手な妄想に浸りつつ、朝6時に栂池高原駅に到着しました。


外は、小雨です。

‥でもきっと、これからどんどん良い天気になっていくのだろう!と思い、ゴンドラ、ロープウェイを乗り継いで栂池自然園に到着しました。


ゴンドラの中より

雨です。すごくは降っていませんが、確実に降っています。

でも、私はあまり天気が悪そうなときに遠征しないので(と思ったらあまり良くなかった、ということがてんくら予報でありましたが)、この感じをどうやり過ごせばいいかの作法がわかりません。

途中で着るより、今レインコートを着たほうが良いのか、ズボンのレインコートも履くべきか、わかりません。

多くの日本人はこの予報で諦めたから、夜行バスもゴンドラリフトも客は少なかったのですが、数少ないゴンドラロープウェイの客は中国人やインドネシアの人など外国人客が目立ちます。

日本人たちは、レインコートを着ていたり着ていなかったり。

ズボンの率はもっと低いです。

外国の方々はレインコートを着ていませんでした。

周囲を見つつ、レインコート(上)を着用。

暑いです。私はあまりレインコートを活用する機会がないように登山しているので、レインコートも安いやつで、通気性はないのでしょう。


天気は良くはないですが、登り始めはなかなかいい感じでした。さすが人気の山といったところで、所々に岩場があったりして変化に富んで飽きません。

天狗原まてはガス、小雨でしたが、乗鞍の手前から青空が見え始め、ガスも引いていきました。


急遽青空が見え、相当に気分が上がる

しかし、眺望を楽しんだのはつかの間、大池のあたりからまたガスだらけ、小雨に‥

しかも途中からまあまあの雨になったりし、レインコートを着たり脱いだり、ズボンも履くべきなのか、とか途中で履いたのですが、そうしたらその後雨がおさまってきて‥とか。


大池到着までのわずかな晴れ間でした

きちんとずっとレインコート上下を着ている人もいますが、この程度の雨だと、何も着ずにそのまま濡れている人も結構いました。たしかに、雨に濡れて寒くなるような日だと困りますが、この日は風がなくて暑くて、濡れても寒くはならなさそうです。

そういうやり過ごし方もあるんだ‥と学びました。


なんのかんので、白馬岳の手前でガスが晴れてきて、一部眺望復活。

白馬山荘に下って、明日はきっと今日よりいい天気だろう!と思いつつ、それなりにガスが抜けて、きれいな夕日を楽しんだりしながら寝ました。泊り客が少ない分、2畳の個室スペースに泊らせてくれて、おかげさまでぐっすり眠れました。


白馬岳に来た時、晴れ間が

夕食後の夕焼けも良かった

翌朝。

日の出は見れそうかな?と外を見ると、ガスっています。

でもそれは、暗いからそう見えるだけかも、と外に出てみましたがガスです。

しかも、日の出の時間を間違えていて早く来すぎてしまい、昨日とうって変わって風が強く寒い中、ひょっとしたらこの風で晴れるかも‥と期待していたところ、結局一瞬日の出をチラ見でき、チラ見できただけでもラッキー、まあこれから晴れるんだろう、と山荘で朝食を食べて外に出ました。


すると、日の出を見たときと変わらない風とガス、だけでなく小雨も降っています。

あれ?今日の午前中は曇り時々晴れ、位の感じでは?まあ歩いてたらそのうち晴れるだろう、と思ったのですが雨はむしろやや強くなったり、とはいえたいした強さではないのですが、ガスがすごくてなんの眺望もないです。

風が強いためにレインコートを着ていても暑くないのはラッキーと言うべきでしょうか‥?


よかったのは天気が悪い時の方が出現しやすい雷鳥に3回も会えたことです

ガスの中、石だらけの場所を歩いていると自然に六根清浄、などと口ずさんでしまいます。

山登りのご褒美である眺望が一切ない中、モヤってる中を雨風しのぎながらただひたすら歩くのはただの修行的行為だな、と、昔修行体験とかにも参加したので、そのように思いました。


見えるのは白い風景だけなので、意識が内側に向かいます。

こうしてギリギリまで悩んだ挙げ句、こんな天気の悪いところに来てしまった自分に対する苛立ちから、自分のだめなところが改めて色々と頭の中を巡りはじめます。

なんで私はこんなに人とうまくやれないのだろうか、今も仕事が嫌になっているけど、どうしてこうすぐに嫌になるかね?だからって何か自分で創業することもできないやつなのに‥などということが頭をぐるぐる回ります。


昔からずっとこんな感じですが、確かに変わった部分もありました。

どうしてもやめられないと思っていた悪癖からは、1年前から一応今までは脱却しています。

だから、何も変わらないわけでもない、と思いますし、この悪癖は本当に、これさえなければ‥と難度何度思ったかわからないくらい、いいところがなにもない悪癖で、とにかくやめたいと毎日思いながらやめられなかったのに、山に登り始めてから回数が減ってきて、それからここ1年はやっていません。


人間の習慣の縛りはすごくて、これまでずっとやってきたことだと自然にやってしまいます。

そこから脱却、なぜこの悪癖ができたのかわかりません。

やめなきゃ、と強く強く思っていた時は止められなかったので、あまりやっちゃダメだ!と思いすぎないほうがよいのかもしれません。

結局、前職で仕事が忙しくなりすぎて、暇がなくなってやらないでいるうちにその方が自然(習慣)になった、ということだと思います。

でもこの前に、登山が趣味になって前よりも悪癖から気持ちが離れていっていた、という前提があってのことです。


とにかく、そんなふうにやめられたこともあるのだから、私はこういう感じで人とうまくやれないクソ野郎だ、と決めつけないほうが良いのでしょう。

でも、放っておくと人は、易きに流れます。それは、思考の流れもそうで、流れやすい方につい、行ってしまいます。

だから、それを止めるのにいろいろな人がいろいろなことを言っています。

最近で有名なのはネドじゅんさんでしょうか。

おっしゃっていることはごもっとも、なのですが、なかなかそれができないんだよな~というところで個人的には止まっているのですが、ほんとうにその、思考のパターンを変えたいなら、それくらいの覚悟が必要なのでしょう。


天気が良ければ絶景のはずなのに、モヤの中をただ繰り言を巡らしながら歩きます

などと思っても思っても、心と同じで視界は靄に包まれています。

そこからやっと猿倉への下り方面に入ってからやっと雨が止んできました。

正直、今更?ということです。

稜線上で雨がやみ、霧も晴れればどれだけ良かったでしょうか。

しかし、霧が晴れたわけでもなく、結局ぐずついた天気が続き、鑓温泉から下ったところで少し青空も見えたくらいでした。

でも、猿倉に降りて、さらに八方まで行くとそこは晴れていました。

今、白馬岳のほうが晴れているかはわかりませんが、予報では午前は晴れまたは曇、午後から雨が降るかも、とかだったのに全くそんな感じではなかったです。


天気予報との向き合い方をもっと検討しなければならないと思った山行でした。

猿倉からは、平日はバスがないのですが、タクシーで乗り合いも可、みたいなのを見て期待してこのルートを決めたのですが、そもそもこの日にこのルートを下ってきた人が少なく、とても一緒にタクシーに乗れそうな人はいませんでした。

これは、タクシー自体待っていないのでは?呼ばないのかな?

と思っていたところ、運ちゃんに声をかけられ、言われるがままに乗り込みました。

一人で支払うのは私的には痛かったですが‥。

運転手さんも山登りをよくされるみたいで、かなり体力もありそうで面白かったです。


とにかく、今回は行き場決めから反省が必要なことばかりでした。ご褒美(登ってこその眺望)が得られなかったから、余計なことばかり考えます。

でも雨で滑りやすい中、無事に下山することができてよかったのでしょう。


鑓温泉に入りませんでしたが温泉がものすごい勢いで流れていました

と、愚痴ばかり言ってきましたが、そんな山行でもやはり山行。その時はきついのに極上の眺望というご褒美が得られず腐っていましたが、帰ってみると、私がこれもよく見ているyujiさんの星のお話のYoutubeがアップされていて、それは私が勝手に気持ちをモヤらせていた人の星座である魚座についての話で、この時はすごく素直に聞くことができました。その人に対して「魚座だからこうなんだな」と、納得できて、前より自然な態度で振る舞えるようになりました。

やっぱりたまにはキツめの山に行くのは私にとって欠かせないことなんだな、と思います。行った時はキツいとか思うだけでもだいたい帰ってきたら楽なので気分が上がります。

これが私にとって吉の行動なんだと改めて山への感謝の思いが深まりました。

結局、天気悪くてもよかったということです。