転職の多い私にも次の仕事が決まり、

新しい仕事が始まる前に、と福井旅行に行くことにした。

 

なぜ福井にしたかというと、4月の半ばで登れて、まだ自分が登っていない百名山はどこかと探したところ、福井の荒島岳なら登れそうだと思ったからである。

 

今年は冬は暖かかったものの、3月に入って寒い日が続いたりで、桜の開花も遅かった。しかし4月に入って急激に暖かくなっていたため、荒島岳の雪ももうそう残っておらず、登れるだろうと判断した。

 

‥のだが、新しい仕事が始まるといつまとまった休みがとれるかわからないので、せっかくなので福井を満喫しようと、永平寺と東尋坊にも行くことに決めた。

 

東尋坊も永平寺もずっと前から行ってみたいと思っていた場所だ。

まずは永平寺、しかし寺だけ見るのも面白くないと検索し、どうも道元が通ったという祖跡コース」というものがあるらしいとわかった。

 

私が山に登り始めたのは、神社や寺などが好きで、日本といえば山が御神体だったり修行の場であるからだ。

そんな私にとって非常に魅力的なコースだったが、そこそこ長い距離で、交通アクセスの問題から難しそうだった。

そこで福井駅からバス便がある永平寺往復で、コース終盤の永平寺の裏にある大佛寺山のみに行くことにした。

 

大佛寺山とは、名前からいい感じだが、これは道元がここにこの名の寺を作り、かの「正法眼蔵」を記したとのことだった。その後に山の麓に永平寺が建てられたので、ここが元の永平寺の場所だといえる。

そんな場所ならぜひと、バスの時間的にはギリギリだったが、行ってみることにした。

 

4月12日、快晴で汗ばむような陽気だったが福井の方はまだ桜も残っていて、他にもいろいろな花が咲いていた。

北陸は冬が厳しいからだろうか、春になっての草木が放つパワーはものすごく、あたりは生命力に満ちていた。

またこの山は滝があったりなど水が多く、

春の水のドウドウと流れるさま、その横で芽吹く緑が賑やかで春の喜びを感じさせてくれ、こちらまでウキウキとした気持ちになり、足取りも軽やかになった。

 

花粉症のため(この日も鼻水はぐじゅぐじゅ出て、かつこのあとに花粉のせいか首に湿疹まで出てまだ治っていない)春はあまり好きではない私にも、草木が放つ春の喜びが伝染し、体の内側から沸き立つ気持ちになった

 

 

虎班の滝とやら。何が虎の班班なのかはよくわからなかったが、よい滝であった。

 

 

道元が正法眼蔵を書いた場所とのこと。

鴨長明のような長屋タイプの庵でも建てたのだろうか。

 

沢沿いで、もっと暑い時期になると草や虫がすごいことになって、草木のパワーにこちらがしてやられそうだと思ったので、この時期でちょうどよかった。

 

 

永平寺ダムとやらもあり、桃?の花が植えられていてきれいだったがこのダムですら人はいなかった。

ちなみにこのダムの方まで登れる階段は泥水でグチャグチャだったのでそんなことからも人はあまり行かないのかもしれない。

ましてその奥の山まで行く人はあまりいなそうだった。

 

しかし永平寺は有名な観光地だが、個人的には少し奥のこの山のほうがはるかに見ごたえがあった。

春と秋ならよいと思うので、道元や沢が好きな人にはぜひおすすめしたい。

ただ、軽いハイキングというわけではないのでそれなりの装備と体力は必要です。