2020年も9月になり、コロナの中でも少し出かけられるようになったころ、久々に泊りで旅行しようと、以前から行ってみたかった諏訪大社に行くことにした。

 

諏訪大社は私が住んでいる東京から行こうと思えばすぐ行けるのだが、前まではまとまった休みがあれば海外に行っていたりしていたため、なかなか行く機会がなかったのだ。

長野であればあまり首都圏から遠くないからよいのでは・・という謎の自己弁護をしつつ、9月の連休に諏訪に出かけた。

 

行こうと思って調べると、諏訪大社は上社下社それぞれ×2、計4社が存在するということが今さらながら分かった。

上社と下社は思った以上に離れており、それぞれの二つにもそれなりの距離がある。

私のように公共交通機関だけで周る場合、電車やバスの本数も多くないので厳しい。

そこで、下社、上社それぞれで自転車を借りて周ることにした。

自転車で周ると思った以上にスムーズというか、いやむしろ諏訪大社への期待が大きすぎて、実際行ってみると思っていた感じと違い、じっくり時間をかけることなく1日で周れてしまった。

 

一番好きだった最後に行った上社前宮

 

これはご理解いただきたいのだが、これは個人的な合う合わないの問題で、諏訪大社は思ったよりも私にはあまり合わなかった、ということである。

またこれも強調しておきたいのだが、高名ですごいといわれているからといって、みんなにそれが合うわけではない。それは神社などのパワースポットもそうだし、健康情報もそうだと思う。

「ここはすばらしいパワーを感じる場所だ」

「これを食べれば○○の病気を防げる」

などという万人に通用する万能のものなど存在しないと私は考える。

もちろん、その性質が強いものは存在する。

だからその情報を知って行ったり食べてみたりするのだが、人はかなり多様性があって、本当に合うかどうかは人によって異なるので、試してみないとわからないし、自分で確認することが必要だと思う。

 

脱線してしまったが、であるので、諏訪大社には少し拍子抜けしてしまったが、

しかし、その日の夕方見た諏訪湖の夕景は今まで見たことがないようなものだった。

 

東京にいると、ビルが多かったりするためきれいな夕暮れの風景に出くわすことは少し難しい。しかしこの日の夕方の諏訪湖は、東京だけでなくてほかのどこでも今まで見たことがないくらいの美しかった。

この地の空気と湖がこのような夕暮れを可能にするのだろうか。わからないが、オレンジ色から徐々にピンク、紫へと変わってい空の色と、それを映す湖面にただただ圧倒されてしまった。

 

下社、上社、それぞれ一日かかると思っていたのが両方で一日で周ってしまったため、次の日は何をしようかと考えた。

それで調べてみると、諏訪からバスで行ける湿原がある、ということが分かった。

バスの本数は少ないし、湿原直通のバスはもっと少ないため手前の車山高原から歩くことになるが、行けないわけではなさそうだし行ってみることにした。

 

次の日の朝訪れた諏訪湖の手長神社。

静かでよい気に満ちていて、こちらの神社はかなり自分の好みだった。

 

本数少ないバスに乗り込んで、車山肩で降り、そこから八島湿原を目指した。

行けないこともなかろうと気軽に向かったのだが、それなりの距離がありあまり多くの人は歩いておらず、笹薮の中を下って行く思っていたよりもハードな道だったが、整備されすぎて人がたくさんいるよりも、自然の中を進んでいる感があって思いがけずわくわくした。

 

ただバスに揺られて上がってきて、降りるともうまるで違う世界が広がっていた。

今まで、少し交通の便が悪いところは億劫でなかなか行くことはなかったが、たった少しバスの時間に合わせるだけで、こんなところに来ることができることを知らなかったのだ。

 

トレッキング慣れしていない身にとっては湿原までかなり距離があったが、辿り着いてみてもっと感動した。

私は尾瀬なども憧れながら行ったことはないが、尾瀬などにもあるであろう木道が敷かれていて歩きやすかった。

何よりも、見たことのない湿原の風景に「ここは天国だ!」としか思えなかった。

 

私のつたない写真では全く伝えきれないが、広々とした湿原、広がる空、足元のかわいらしい花々に、終始心が震えっぱなしだった。

 

ずっと海外にばかり目を向けていたが、日本にもまだ知らないすごいところがたくさんあって、それも意外とそんなに行くのが難しいわけではない、ちょっとバスに乗っただけでかなりなすごい場所に行ける、そんなことをこのコロナのおかげ?で知ることができた。

 

近くの霧ヶ峰は私も聞いたことのある場所だが、この八島湿原は全く知らなかった。

しかし、また是非違った時期に訪れたい、素晴らしい場所である。