雨が降っている。
夕食を食べ忘れた淡は今空腹で
風の音を聞きながら寝られずにいるの。
こんな風の強い夜に
もしも翼を思い出し
羽ばたこうとしたならば
淡は何処まで飛べるのか
否、堕ちて行くのか
人を飛ばせるには
大きな大きな翼が必要で
けれども人が翼を手に入れたなら
今度は水の中で生きられるエラを欲しがるだろう。
焦がれては求め、繰り返した果には何処にも行けぬ器が残るもので
きっとそれは人々の空想の中を彷徨い無として生きる。
命ならそこにあるのだ。
人を好きになるのと嫌い になるのと
どちらが簡単な事かしら。
淡に興味がなくなったのならばそれでいいのよ。
そうだと言ってくれれば、気の迷いだったと素直に示してくれればそれでいいの。
寂しい事ね。