最初にお断りしておくと、これから書くことはワールドタイム（…というよりセイコーの時計全般）については素人のこの私が、たった3日間、それも仕事の合間にネットから拾った情報を整理して簡単にまとめただけのものであり、思わぬ見落としや勘違いがあるかもしれません。だからもし間違ってたらゴメンナサイ。念のため最初にそれだけ申し上げておいて、以下本題。

セイコー・ワールドタイムは、前回の東京オリンピック開催前年の1963年に製造が開始され（但し発売は1964年）、その後1970年代の中頃まで10年以上の長きにわたって製造が続けられた息の長いモデルである。搭載ムーブメントはcal.6217に始まって、途中（セカンド）からcal.6117にスイッチされた。デザインバリエはファーストからサードまでの3種とされることが多い。分かりやすいようにここでそれぞれの画像を載せておこう（画像はいずれもネットから拝借しました）。

まずはファースト。1964年、前回東京オリンピックが開催されたその年に「国際人の腕時計」というキャッチフレーズで発売されたのは有名な話。ワールドタイムといえば、まずこれを思い浮かべる人が多いのではなかろうか。

次にセカンド。ファーストと似ているといえば似ているが、よく見るとラグやリューズの形状、針とインデックスの夜光の有無、24時間針に違いが見える。あとは外周の都市名の表記。ファーストは黒1色だがセカンドは外側が黒、内側が青の2色で色分けされている。更に細かいことをいうと、セカンドからは我らがTOKYOの横にSINGAPOREが追加されている。これは1965年８月にシンガポールがマレーシアから分離独立したため。

そしてサード。文字板や針にも変更はあるが（特に24時間針の形状に注目）、1番目立つのはケースデザインの変更。セカンドまでとは明らかに異なっている。スマートさには欠けるが、これはこれで悪くない。

次に裏蓋。まずはファーストから。見て分かるとおり、スナップバックになっている。聖火マークがカッコいい。因みに、この聖火マークが入っていたのは製造当初の数か月間のみという記載をどこかで読んだが、その真偽のほどは不明。少なくともこの3日間で私が見た画像はどれもこれも聖火マークばかりであった。当時それだけ売れたということか、或いは…。

次にセカンド。スクリューバックに変更されていることが分かる。刻印はこの時期のセイコーによく見る通常のタイプ。

そしてサード。スクリューバックが踏襲されているが、セカンドと比べるとシンプルというか、平べったい形になっている。

で、ここで注目していただきたいのは、それぞれの裏蓋に彫られた品番である。ファーストは6217-7000、セカンドは6117-6010、サードは6117-6400となっている。ネットの情報によると、この4桁＋4桁の数字は、最初の4桁がムーブメント番号、次の4桁がケース番号ということだから、ムーブメントはファーストにはcal.6217が搭載され、セカンドからはcal.6117にスイッチされていることが分かる。

以上のことを頭に叩き込んだ上で、あらためてASIAN GAMESの裏蓋を見ていただこう。品番は6217-7010…そう、上に見たどのモデルとも異なるのである。最初の4桁の数字からムーブメントはファーストと同じcal.6217と分かる。そこは問題ない。しかしそれに続くケース番号の7010とは一体…？長くなったので続きはまた次回。

ワールドタイム②