(前回からのつづき)
前回からずいぶんと日が経過してしまったのでちょっとだけおさらい。
11月某日。
会社に国税局と大阪地検が入る。
同日、社長と会長の両名が脱税で逮捕される。
同日、楽天市場店の営業停止。
同日、ヤフー店の営業停止。
同週、DeNA店の営業停止。
同月、アマゾンの営業停止。
12月上旬。
販売するための新会社を設立。
12月クリスマスイブ。
社長と会長の両名が保釈。
ここでどうしてもモールというものについて書いておきたい。なぜならば、ネットショップという業態である以上、避けては通れないものなのです。
このタラタラと続くこのブログも遡っていけば、僕自身かなり前からネットショップに関わるお仕事をしていることはなんとなくわかるかと思うが、かれこれ15年近くネットショップに関わり続けている。
今回の会社は、自分の会社における地位も含めてある程度の許容を持って運営の戦略などを考え、実行できる環境であった。そうこの問題が起きるまでは。
ネットショップというのは長く続ければ売り上げが上がるものでもない。と書いちゃうと語弊があるけど、一定の成果は出たとしても、なんとなしにやってもいけない。
楽天市場やヤフーといったいわゆる軒先を借りるモールという店舗である場合、モールの力ももちろんあるけれど、いろんな費用がかかる。よく人件費がかからないから安くしてよ、安いんでしょ、なんて思われがちだがそうでもない。
話が逸れついでに、たとえとして書いてみるとこんな感じ。
仮に原価5000円で販売価格が10000円の商品の場合。
5000円が残る。
5000円残るんだけど、
システム利用料 500円(もろもろ含む)
クレジットカード手数料 250円(カードの手数料はショップ持ち)
荷造り運賃費用 500円
ポイント付与(1%)50円
アフィリエイト(1%)50円
などといった費用がかかってくる。
5000円から1350円引いて、3650円が手元に残る。
これに加えて
広告を使っていれば広告費がかかるし、
少ないとはいえ人件費はかかる。
となると会社に残るお金なんてそれほど多くはないのが実際なんです。
話、それまくったが、こういうのをあーだこーだと考えながらお店って運営していきます。で、その中でとても重要な人間がいるんです。
それが、ECコンサルタントと言われるモール側の担当者の存在です。
楽天市場でもヤフーでもアマゾンでもそういう担当者はいます。売れてないところにもちゃんとそういう担当してくれる人はいます。
で、この人たちは何をしてくれるかというとお店の現状を分析して、伸ばす方法を考えてくれたり、広告を提案してきてくれたり、いろんなことをしてくれます。
外部にいるけれど、お店の売り上げを伸ばすためにとても重要な人なんです。
でも、彼らは一年とかで入れ替わることが多いです。異動になる場合もあるし、理由はいろいろあると思います。癒着してしまうからなんてことも聞きますが、そういうのは稀だと思う。
でも彼らとのやりとりはとても重要で、僕自身もずーっとやってきた中でそういう関係性をとても大事にしてきました。当時の会社でも楽天の担当者、ヤフーの担当者、DeNAの担当者、アマゾンの担当者などそれぞれととても大事にその関係性を築いてきていたと思います。
後日、知ったことなんですが、各お店が営業停止になったとき、営業しつづけられたお店が一つだけあったんです。
他のモールの担当者は、理由を言い、継続できない旨を伝えてきてくれたけれど、そのモールだけは何も言ってこない。知っているのか知らないのかもわからない。
こちらとしても聞きたいけれど、もし知らなくて、聞いたことによって知ってしまい、営業停止になってしまうのなら言わないでおいたほうがいいのではないか。とあれこれ考えてそのまま営業し続けました。
ある日、今回の件を事情説明をするために東京のとある本社を訪れた際に、このモールにも足を運びました。
そこで思い切って聞いてみたんです。
回答はほぼ即答で「知ってましたよ。」
「やっぱりご存知だったんだ・・・そりゃそうですよね」
的な感じの会話の後、向こうの担当者がこちらに向かって真剣な顔でおっしゃられた言葉がとても印象的でした。
逮捕のニュースを聞いた時、すぐに会社で会議があったようで、
その会議の内容はお店をなくすかどうかではなく、どうサポートするかであった。
「各モールさんが無くなっても会社は売り上げを作らないとスタッフが困る。
それならうちができることは全力でサポートすること。で一致してました。」
もうね、涙が止まらないくらい感動したし、感謝した。
本当にこのお店が無くなってたら全員路頭に迷ってたのは間違いなかったと今でも思う。
担当者の存在って見えないようで結構でかい。
楽天の担当者に至っては、退店が決まった時の担当者だけじゃなく、その前の数人ことごとく心配してくれたし、新しくお店をする時にもぜひ担当したいという暖かい声を頂戴した。ヤフーの担当者も然りだし、DeNAもアマゾンの担当者も声をそろえて絶対お店出して欲しいし、その時は担当させてくださいね。と言ってくれた。
自分の力っていうのももちろん大事な要素なんだけど、周りの人たちがこうして言ってくれたり、尽力してくれることもめちゃくちゃ大きな要素。
おそらくだけど、これがなければネットショップという業態のお仕事から完全に身を引いてたかもしれないなあと今になって思う。
僕がこの回想を書いているのは、単なる備忘録、記録として残すという側面だけじゃなく、こうして関わってくれた人たちに感謝の気持ちが大きい。
長くなったけれど、こういう感謝を会社が忘れてしまった時点でやはり継続させるのは難しかったのだ。
つづく。
