知能指数、IQといわれるものは、ご存じの通り、
知能検査のテストで出る数字です。
知能検査の中身は
言語、数字、記憶、図形、理解などの項目に分かれています。
これらの各々のテストの平均値などでIQを出すようです。
あくまで、そのようなテストの結果の数値です。
そういった知能検査で出た数字、知能指数ですが、
これは正規分布になります。
普通の知能のIQ85-115の間には68%の人がいるようになってます。(水色の部分)
一番左、濃い水色のIQ70以下の人(いろいろ考え方はある)は知的障害で、
小さいころから支援を受けていますね。3%ぐらい。
支援を受けているそういう人たちが3%ぐらいっていう割合、
そういう感じなんとなくわかるなあ、と
そういう感じありますか。
でも、
あれ?
図をみると、
IQ70-85の人たちがいる。(青色の部分)
知的障害の中に入っていません。
普通(平均的)の人じゃないの?
いないと思ってたけど、正規分布表をみると、いるでしょう!
そして、14%もいるでしょう!
ここのIQ70-85の部分を境界知能と呼んでいますね。
今の世の中は複雑でいろんなことがあって、
普通の人(平均的な人)でもいろいろなことが、なかなか難しい世の中ですね。
役所の手続き、人間関係、空気を読んだり、将来を見通したり、
ふつうはできるよね~などと言われるけど、
実はハードルが高い、あれやこれや。
平均的な人でもため息が出ること多いですよね。
そして、この境界知能に入る方なら、たぶん支援が必要です。
でも、この教会知能の方は、普通の人と見分けがつかないので、
なかなか支援が受けられません。
『ケーキの切れない非行少年たち』、読みました。
さきほどの境界知能の方々が犯罪者になる、ということではないですよ。
でも筆者の方がかかわった非行少年の中では、
境界知能や知的障害なのでは?という人がとても多い。
ケーキを等分に切る事ができない
漢字がよめない、数字を扱うのが難しい、話を聞き間違えたり、周りの状況を把握できない、機転がきかない。
感情統制がむずかしい、先が読めない、融通が利かない、抽象的、概念的に物事をとらえることができない。
やっぱり、
それだと今の世の中、やっていくのに、困難が多いと思います。
挫折感を味わってきたのではないかと、筆者はいいます。
境界知能の人が全員そうだというのではなく、
そのような傾向があったり、
普段はうまくやっていても、何か突発的なことが起こったり、
計画的にやらなくてはならない事や、時間的に締め切りがあることや、
複雑な届け出であったり、何段階かを踏む作業や、目標を立てたりする時など、
いろいろと困難であることに、
支援が必要だと思います。
とにかく、「普通」に見えるので分かりにくいです。
また、こちらの「普通」と思い込んでいるので、
こちらの「普通」がなかなか通じません。
また、こちらの「普通」が、
こちら側の目や理解を狂わせます。
(これは私の考えなので、合っているのかどうかわからないのですが)
例えば、母親が小さい子供を家に閉じ込めて何日も遊びに行ってしまう、
なんて事件ありましたよね。
あれは、子供に対して愛情がない鬼のような母というわけではないと思います。
先のことが考えられないからそうするのではないかな?と。
何段階も先のことが考えられない、1ステップ先のことしか考えられないなら、
そういうこともあるのではないかと思います。
(本当の所はわかりません)
支援が受けられやすい重い障害の人以外にも、
支援が受けづらい境界知能の域にいる人が14%もいるということを、
その方たちは普通の人にまぎれて、とてもわかりにくいということを、
その人自身も、どうしてうまくいかないのかが把握できないということを、
とても誤解されやすい事を、
今の世の中は複雑で大変なことを、
しっかり認識しようと思いました。