目まぐるしく過ごしているうちに、

私達はついに本帰国しました!


もう日本に住んでいます。


そもそも「本帰国」って、通じますか?


長期休みなどに日本に帰省感覚で遊びに行ってまた戻って来るときに使う「一時帰国」に対して、もうここには戻らないっていうお別れの意味合いを含む、海外で暮らす日本人には超重要頻出単語です。


もうずっと住む予定というご家族もいましたが、

多くは数年程度で本帰国となります。


ちなみに日本ではなくそのまま次の国に赴任になることは「スライド」と言います。


一時帰国、本帰国、スライドという独得な3つの言葉が、振り返ると日本人コミュニティの中では当たり前ように常に使われていたように思います。


日本人の仲良くしているママたちとは

何年もいると、誰かが帰国が決まったとき、あるいは時期的によく出入りがあるとき、何なら話のつなぎとかでも、お互いに結構よく話すんですよ。

うちはあとどれくらいとか、いつ頃帰る予定とか。


常々、どこかで別れを意識した関係なんですよね。

だからこそ濃かったりと不思議な感じ。


1年のうちに必ず誰かとはお別れがある。

そういう特殊な関係にお互い慣れているんです。


私も、さみしい気持ちと同時に、

あーいよいよ自分の番が来たと思いました。


いざ伝えると相手の反応も

わぁ!ついに決まったのね、となる。


だから、そうかじゃあ最後に一緒にあれ食べよう、あそこにもう一度遊びに行こう、なんて、まぁとにかく伝えたあとのその後の流れ、思い出作りへの切り替えがある意味とてもスムーズなんですよね。


そのやり取りの感覚のまま、今度は末っ子のお友達のパパママたちに会う機会があったんです。


小学校は日本人学校だったけど、幼稚園はローカル園に通っていました。


日本人同士はママと子どもたちという関係が、ローカル園では割とパパママと子どもたちのお付き合いなのも新鮮でした。


ここでの関係がとても居心地が良かったので、お別れを伝えるのも辛くて、私の中では日本人コミュニティ以上に、さぁ今から伝えるという覚悟みたいなものがあったんですよ。


ちょっと細かいことはどう言ったか覚えていないけど、


We're going back to Japan next month.


というようなことを言ったかと思うんです。


そしたらね。


Oh, when you'll come back?


みたいなね。軽い感じで。


あれ??って笑。


ただの旅行と思われてるじゃん!


すごく意を決して伝えたんですけど、

気持ち的には。


でも内容としては情報が全然足りてない!!


わかります?このときの気持ち。

あーもう大失敗!笑。


そうだな、いきなり言ってもそうなるよね。


日本に帰るって言わなくちゃという気持ちが強すぎて、どう言おうか全然考えてなかったことに初めて気づいて思わず笑いそうになりました。


いやいやもう帰ってこないのよ。


それでも、そう言った時点で察してくれるはず。

日本人同士なら。


でもなんか普通に、WHY?みたいな感じで。

もう、ほんと全然伝わらないの!


だって私が言ってないから!


こういう感じ、何度もあったなーって

現地滞在の懐かしい思い出の1つ。


特に相手が好意で誘ってくれたとき。

ついでに車で家まで送ろうか?とか。


あ、このあと別の用があるから。

これだけでもたぶん日本人だと断ってるって思うんじゃないかな?

でも英語でそう話すと、そこでお互いちょっと間ができるんですよね。


向こうから何か察するというより、

こっちの出すことが全てという感じ。


伝わらないっていうより、

待ってくれているとも言えるかな。


相手が知りたいのはYESなのかNOなのか、それで私はどうしたいのか、なんだよなー。


状況理解してもらうために夫の仕事が〜とか、幼稚園の最終日とか日本へのフライトはいつで〜とかあれこれ話して、


Permanently?

とか

So you're gonna move out?

とかいうような相手の質問にそうそうって答えて

その度心の中では、あぁこの言葉加えたほうが良かったのかとか反省会。


この、permanentlyって言葉も、難しいよねー。

最初分からなくて、聞き直しちゃった。

で、口の動きで、あぁそうか英語はtの発音しないのかって思って。こんなときに、学生の時の読み書きの勉強も役立つなと思う。


そんなこんなで、

状況を共有する頃にはしんみり感はだいぶ薄れた。


何なら

Go back っていう言い回しも使えるようになって

こなれ感出せたと思ったんですけどね。


スーパーでお客さんと店員さんが何か話していて

お客さんのほうが、

Ok, I'll bring it back.

というようなことを言ったのが聞こえて、

おー、動詞+backってかっこいいなと思って

ちょっと意識的に使ってみるようにしていた。


うん、まぁgo backがダメというわけではないと思うんですが、別の言い方でも良かったかもしれないですね。


逆に、来たばかりのとき、一時帰国の意味で

あんまり深く考えず思いついた日本語の感覚のまま

日本に戻る、returnって言ったらすごく驚かされて

あれ?って困惑したことも思い出した。


returnは、もとの状態・場所に、戻る。

だから本帰国のときのほうが合っている。


じゃあ一時帰国の場合は何がいいのか。

そう聞いたらvisitって。


自分の国にvisitってちょっと違和感あったんだけど、そういうことじゃなく滞在期間がどうかってことか。


ちなみに、子どもの習い事を辞めるにあたって書いた書類は理由がチェック項目になっていて、私達が該当する文はleave+国名という書かれ方をしていた。

これも、国を離れるということが明確に伝わる言葉だと思った。


言葉を覚えるって、単語帳で覚えていたら、

常に日本語と英語を、ただ1語と1語の対になっているような感覚に捉えることもあるけど、

必ずしもそうではなくて、やっぱり使うシチュエーションとか柔軟に想像しながらのほうが良いんだろうな。


まぁこういうところも面白かった。


以前も、子どもが親しくしていたお友達のママと話していて、海外旅行かと思って話を聞いていたら、

移住だった!ってことありました。


その時は私が、いつ帰って来るの?って聞いた。

そしたら相手は、それはわからないって。


そこで初めて、え?どういうこと?ってなった。


だから、結局会話を続けることでなんとかなる!

これも、海外で住んでいるときに得たポジティブな感覚です。

ついつい、あー失敗したって思っちゃうけど、

情報をわかるように伝えるのも大事だけど。


一度に全部詰め込んで細心の注意を払って誤解を招かないようにしなきゃって気負うくらいなら、

まずは気軽にコミュニケーション。


やっぱり、会話って相手と相手ありきだから。


そういうことを強く感じたのは、

帰国を伝えたその後の流れ。


やっぱりここでも、

子どもたちは帰国を知ってなんて言ってた?

フェアウェルパーティーはするの?

パッキングは進んでいる?

など一通りのことを聞かれて。


特に一番下の子はまだよく理解していないから、

それこそ、また帰ってくるつもりでいるし、お別れパーティーとも思っていないけど、ただただパーティーでケーキを食べられることは喜んでるよって言ったら、それはそうだよねって笑ってた。


でも、私はここの生活や人が好きだったからすごくさみしいって伝えたら、


横にいたパパの1人が軽く微笑んで、

Congrats!

と言ってくれたんです。


その言葉が新鮮だったし、

確実に、気持ちが軽くなって、


自然に、心から、ありがとうって言えた。


家の引っ越しの際にも、次に住む人が下見に来て

退去理由として日本に帰るって伝えたら、

Congratulations!

と言われた。


こういうやり取り、いいなと思った。


例えば日本語でも、相手の門出に対して、

いい経験になりそうですね

など前向きな送り出しをすることがあると思うけど、

そういう気持ちに近いかな。


他にも、メッセージのやり取りで

Keep in touch!

とか

All the best!

とか色々とたくさんの言葉をもらって

本当に心温まる思いでした。


私も、相手の心がふわっとなるような言葉かけをしたいなー。


また思い出して書きたいと思います。