世界選手権で、日本女子バレーがメダルを逃したことは、多くのファンに悔しさをもたらした。特に、準決勝と3位決定戦、いずれも運命を分ける局面でのプレーには、今後のチームの方向性を考える上で重要な示唆が含まれている。

日本のエース、石川真佑選手は、チームの攻撃を牽引する重要な存在である。しかし、準決勝の4セット目、最後の2点という極限のプレッシャーがかかる場面で、彼女のプレーにミスが続いた。1点目は相手方からのおそいアタックボールへの反応が遅れ、最後の1点はレシーブが乱れ、結果的にアタッカーが体勢を崩してしまい敗北につながった。

また、彼女が手を叩いてトスを要求した場面で、スパイクを決めきれないことが多々あり、それが他の選手にショックや不信感を与え、さらに相手チームに攻撃の意図を読まれる要因になっていることは、冷静に検証されるべきである。

そして、3位決定戦のファイナルセット。試合の行方を決めるジュースの場面で、再び石川選手にトスが上がり、そのアタックが止められて試合が終わった。この時、なぜ絶好調だった佐藤選手にトスを託さなかったのか。チーム内での彼女の微妙な立ち位置に対するチームメイトの一瞬の忖度が、メダルへの道を閉ざしたのではないだろうか。

過去2回の国際大会や、そして今回の大会を通じて、日本側に流れが来そうな場面になると、石川選手のミスで流れが断ち切られたり、相手に流れが渡ったりすることが、度々見受けられる。試合を決めるような重要な場面で、決め切れずに試合を決定づけてしまうことも多かった。 このような「ここぞ」という場面でのミスや点を取れないことは、日本のメダル獲得にとっての大きな課題であり、彼女のメンタルがチームの弱点になっているのではないかと思うのである。

もちろん、彼女自身も勝利のために全力を尽くしていることは疑いようがない。しかし、勝負の世界では、個人の努力以上に、チームとしての最適解が求められる。今後は、石川選手の持つ高い攻撃力を活かしつつも、プレッシャーのかかる場面でのリスクを考慮した、より戦略的な監督の采配が不可欠となる。特定の選手に頼るだけでなく、状況に応じて臨機応変に選手を入れ替える柔軟な戦術こそが、日本女子バレーが世界の頂点を目指すために必要であろう。

アナウンサーとゲストの元前日本選手の実況にも問題があった。繰り返しずっと石川選手を大絶賛し続けていた。彼女が点を取ると、異常なほど持ち上げるのだが、その前後のプレーで単純ミスをして点を取られてプラマイゼロになっていることを隠すかのようだった。石川選手、ひいては日本チームが勝てない要因が世間にバレないようにしているとしか感じられない実況だった。これも周囲の人々に彼女をリーダー視させ、不器用でネガティブでキャプテンにはふさわしくない彼女の悪い部分を温存させる結果になってしまっている。

彼女は通常のプレーでは、大量ではないがコンスタントに点を取って、試合を進行させてくれる。日本チームやマスコミも、冷静に現状を分析し、彼女の良さを最大限に生かせるように、チーム内で位置づけてあげる必要がある。それが彼女の精神的にも技術的にも最もよいことである。

2度あることは3度あった。日本チームはそろそろ覚えたほうがよい。彼女が中心である以上、4度目も全く同じ展開、同じ結果になる。