インドネシアの外交について、日本が抱く不信感は拭えない。日本の要請を断り、中国の軍事パレードには大統領自らが出席した。高速鉄道計画では日本が無料で地質調査をした結果を中国に渡して中国に建設を依頼した。これらの行動は、日本の信頼を揺るがすものである。
国際社会には、武力による現状変更を試みたり、国際法を軽視するような行動をとる国が存在する。中には、一方的にミサイルで市民や街を攻撃する国もある。日本は、そうした行動に毅然と向き合い、自由で開かれた国際秩序を維持する責任がある。その中で、友好国であるはずのインドネシアが、国際秩序に挑戦する動きを見せる国と連携を深めていることは、看過できない。
特に、今回の中国での軍事パレードは、その象徴的な出来事だ。パレードでは、違法行為や強行的な行動で第三次世界大戦の火種を作っているロシア、中国、北朝鮮のトップが並んで歩き、彼らが目指す新たな自己中による世界の姿を示した。そのような場に、インドネシア大統領が出席して支援したことは、日本との関係よりも、彼らが目指す新世界を優先したと受け取られても仕方ない。
インドネシアのこうした行動は、日本が築き上げてきた信頼関係を軽んじているだけでなく、日本の善意を踏みにじる不誠実な外交と言える。日本の提供する質の高いインフラや技術は、しばしばコストや時間がかかるが、それは安全性や持続可能性を重視する結果だ。しかし、インドネシアは目先の利益を優先し、日本の善意を裏切った。
このような国に対して、日本は関係を再構築するために歩み寄っても、また裏切られるだけである。不信感を生んだ原因を追及し、不誠実な国とは距離を置くという選択肢を持つことも、相手の行動を変えるためには必要であろう。何をやっても面倒を見てくれるとわかれば、次も同じことをするのは当然だ。日本は、世界からバカにされるような行動ばかりとっているが、もうやめよう。人間とは、弱い人に対しては攻撃的になるものである。
日本外交の価値観と利益を守るため、安易な関係再構築を模索するのではなく、毅然とした態度で臨むことが求められる。いくら日本政府でも、3度目はやめてほしい。