卓球の早田ひな選手が、自身のブログに、「対戦相手の方に配慮し、日本卓球協会のスタッフにも1名、処置中に立ち会ってもらい、痛みや症状の確認と処置のみが行われ、戦術などのアドバイスがなかったことを確認してもらっておりました。」と、コメントを掲載した。
しかし、腕の処置中の多くの時間は、早田選手とコーチの2人きりであったことは、ずっとテレビで放映され続けていた。彼女の説明には嘘が含まれている。早田選手は、話を作ってまで自己弁護するのではなく、正確にもう一度きちんとした説明文をブログに掲載することを期待したい。
そもそも、重要なことは早田選手が事前にどのような確認をしていたかではなく、それについて知る由もない張本選手があの時点で気持ちが動揺し怒りがわき、実力が出せないで負けたという事実である。この点がいけなかったのである。もし、早田選手が本当に公平を望むのであれば、卓球協会の人が治療中の早田選手から離れずにずっとそばにいてもらい、しかもそのことをその場で張本選手に伝えてもらうように審判などに依頼すべきであった。
以前、NHKの紅白歌合戦でバッグダンサーの女性たちが裸で踊って、一年の締めくくりである大みそかに日本中の家族をどん底に突き落としたDJ OZMAの事件を彷彿とさせる。あとになって、実はダンサーの女性たちは裸の絵が描かれたシャツを着ていたと説明したが、そんなことはどうでもよいことだ。大みそかの家族団らんの時間に気まずくさせ嫌な思いをさせたことが事実である。あとから、裸ではなかったということを説明したところで、大みそかに全国民が不快で怒りを感じたことを、無かったことにすることなどできないのである。
早田選手のコメントには謝罪文もあったが、それは張本選手に対してではなく、対象が的外れなものであり、反省が全く感じられないものだった。このような、さらに相手の感情を逆なでするような彼女の姿勢、態度、性格が、世間からも批判の対象になりやすい一因であろう。
彼女は周りが見えず、自分中心に物事を考える人だと、彼女の態度やちょっとした行動からずっと思っていた。他人の気持ちも、よくわからないのだろう。だから、今回のようなことも起きてしまった。卓球に没頭するのもいいが、人として、社会人としての知識や経験も、大人に成長する過程では必要なことである。伊藤美誠選手以外とも広く交流したほうがいいと思う。
彼女は、最後に「誹謗中傷のコメントはどうかお控え云々」とも書いているが、これを言いたいがためのコメントだったような印象を私は受けた。しかし、火のない所に煙は立たないのは当然である。法律に抵触するような過度な表現はいけないが、根拠のある指摘や非難は誹謗中傷ではないことも、彼女は自覚したほうがよい。
伊藤美誠選手もそうであるが、女子の卓球選手のベテランたちは気持ちが不安定すぎる。相手選手へのリスペクトがなく、舌を出したり嘲笑したりなど試合中にふざけており、謙虚さもないなど、心構えに賛同できない。そこを変えると、2人とも中国に勝てたと思うが、これからではもう遅い感じがする。新時代の女子選手たちには、まだそのような所がないので、ベテランたちの悪い所は受け継がずに、新しい時代を切り開いていってほしいものである。