テレビ朝日の夏のイベントで、ドラマ「大追跡」のキャスト達が集合した。佐藤浩市氏、遠藤憲一氏、光石研氏など、ベテラン俳優や実力者俳優が6人並ぶ姿は圧巻である。その中心には、このドラマの主役となっている相葉雅紀氏が、ちょこんと座っている。場違い感が否めない。
大河ドラマ「どうする家康」を彷彿とさせる。あの時も、専門の俳優ではなく演技が未熟な松本潤氏が主役となり、その周りを驚くほどの豪華俳優陣で固めていた。豪華俳優を添え物にするジャニタレ主役の異様さが際立つ。
バラエティ番組でも同様の構図が見られる。ジャニタレが主役を務める番組では、共演するお笑い芸人は人気・実力ともに一流揃いだ。専門のお笑い芸人ではないジャニタレが主役でなかったらとても面白い番組になるのに、と思わせる番組ばかりである。
櫻井翔氏がニュース番組やスポーツの国際大会などのMCをやるのも同じ構図である。
ここまでしてジャニタレを最優遇し、持ち上げ続けるテレビ局が、私にはとても気持ち悪く感じられる。テレビ局は、ジャニー喜多川氏や中居氏の犯罪行為が公になった際、自社で自社を調査し結果を公表するという意味のない茶番劇を演じ、世間を欺いて逃げ切った。自社の根本的な大改革のチャンスを自ら失った。これほど大きなチャンスも生かせないなら、今後テレビ局が根底から生まれ変わることは無理である。
国民生活に最も影響を及ぼす政治家とテレビ局のツートップが、日本では最も不誠実で悪質で無責任な存在であることに、むなしさを覚えるのである。