中国の蘇州市で、日本人の親子が地下鉄駅構内で突然襲われる事件が起きた。ちょうどその直前から、「南京事件」を題材にした映画が中国国内で公開され、反日感情をあおるような空気が広がっていた。
中国は、南京事件に限らず歴史認識を一方的に構築し、自国に都合のよい形で教育や映像作品に反映させてきた経緯がある。南京事件についても、被害の規模を物理的に裏付けるのが困難な数字を掲げ、日本を強く糾弾する内容が国民の間に浸透している。
今回の事件に関しても、当局は沈黙を貫き、現地メディアも報じない。都合の悪い事実は伏せるという姿勢が、結果として外国人に対するリスクを生んでいる。
日本人が仕事などで中国に行き、そうした体制下で暮らすということは、常に緊張と覚悟をもっていなければいけない。自業自得とは言わないが、そういう国だということをわかって住んでいるはずだ。