近年の大相撲では、横綱が優勝の可能性がなくなると早々に休場を選ぶ傾向が目立つ。優勝賞金を手にする見込みがなくなれば、土俵に立つ意味がないという判断なのだろう。横綱は休場しても給料や待遇が変わらないため、無理に出場を続ける必要がないという空気がある。横綱以外の力士たちが多少の不調や怪我を押して出場している中で、頂点の横綱だけが安易に休場する状況に悲しみを覚える。
たとえば、直近の横綱豊昇龍の休場も、危険な負け方ではなかったことから、本当に怪我によるものか疑問視する声もある。医師の診断書が出されているようだが、医師の法的責任についても検証が求められる。
横綱はただ強いだけでなく、相撲道の模範であるべき存在である。簡単に土俵を離れる姿勢が続けば、相撲に対する人気や信頼を失いかねない。
このような状況が生まれた背景には、相撲協会が黙認してきたために歴代横綱たちは「すぐ休場していいんだ」と認識するようになった可能性もある。過去には、ひじエルボーと顔へのパンチで勝ち続けた横綱もいたが、やはり相撲協会は黙認し続け、それによって横綱に「これでいいんだ」と誤解を与え続けた。
相撲協会は、横綱(特に習慣や考え方の異なるモンゴル勢)の行動に対して、適切な教育なり指導なりを行うべきであろう。