祇園祭が今まさに行われている。日本三大祭のひとつとされ、なかでも見どころは山鉾が交差点で方向を変える場面だという。ただ、それ以外の展開には大きな変化がなく、単調に感じられることもあるようだ。実際に訪れた人の感想には、炎天下の人ごみのなかで立ちっぱなしの時間がつらく、現地よりテレビで見る方が向いているという声もあった。しかし、生中継を見てみたが私はすぐに飽き、10分程でテレビを消してしまった。

山鉾は「動く美術館」と称され、美しい絨毯や飾りが施されているが、どこか無理があるように思える。山鉾本体が魅力的であるのではなく、箱のような構造に美術品を貼りつけたものが「魅力的」とされることに、違和感を覚えるのだ。それならダイヤモンドや有名な絵画でも張り付けて引っ張れば、魅力的な祭りになるというのだろうか。調べてみたら、東南アジアや中近東、ヨーロッパの美術工芸の粋が結集しているとのことである。一貫性がなく、せめて日本の物を付けてほしかった。そのような海外の寄せ集めは、京都を代表する祭りにはふさわしくない感じがする。

山鉾に乗り込んでいる人の多さにも違和感を感じる。山鉾の屋根にも5~6人程がおり、何をするわけでもなく暇そうに黙って座っている。

見せる祭りというより地元の人々が毎年の営みとして関わる、参加型の祭りなのかもしれない。