教員は子ども達が下校するまで休憩する時間も取れずに働きつづけているわけだが、良心的な(良心ぶっている?)市町村では、休憩時間を退勤時刻直前に(たとえば16時からまとめて45分間)設定しているところもある。
しかし、子どもが帰った後に、ようやくテストの採点や作品の評価、学級事務、校務分掌などをやるわけで、放課後に設定された休憩時間に何もしないで休む教師など全国に一人もいないだろう。ただでさえ遅くまで残業しないとこなせない事務仕事や明日の教材研究の仕事があるのに、もし45分休んでから取りかかると、さらに帰りの時刻が遅くなる。だから、放課後に休憩時間を設定されても実際に休むことはない。教育委員会や学校はうまくやるなあと、つくづく感心してしまう。
冷静に考えると、朝の7時頃に出勤し、授業準備など急いで働き始め、帰宅する20時頃まで休憩する時間なく働き続ける教員の仕事って本当にすごいと思う。今の時代に、許されていいものなのだろうか。
ちなみに昔はもっとひどく、学校にもよるだろうが研究校や基幹校などに配属になると帰宅時刻が22時、23時など普通にあった(夕食は20時頃に近くの食堂に行って食べたり、弁当屋さんが学校にパンやおにぎりを売りに来ていた)。今、教員採用試験を受ける学生が減っているという。たしかに、好き好んでこの人生を選ぶのは客観的に賢明ではないだろう。学生達はまだ経験していないのに、よく教育現場の実態を把握して、判断していると思う。大切なことは、国が古い理想論や昭和から続く現場でのあたりまえから脱却し、大胆な働き方改革をすぐにやることである。長期間かけてちまちまとやっていては、ますます教職離れが進むだろう。