ある町の小学校の管理職が、教諭の休日出勤の記録を消去していたことについて、文科大臣が「こうした事態が生じたことは大変遺憾だ」と述べた。 この教諭は、去年と一昨年の休日出勤合わせて45回分の記録が、校長などの管理職によって消去されていたという。
これまで30~40年間、教員をしてきた退職教員たちは、どういうことかわからないのではないだろうか。長きにわたり、毎週土日に学校へ行き、何の出勤記録も書くことなく平日に処理しきれなかった仕事を行ってきたほとんどの退職教員は、まずは当該学校が記録を書くことになっていたことに驚くだろう。
国は、記録が無く休日出勤をして残業をしていたことが「遺憾」ということならば、退職教員数百万人位の40年弱分の手当てをさかのぼって支払いたいと考えているということなのだろうか。
思ってもいない形式的な言葉は、かえって相手の感情を逆なでする。余計なことは言わないほうがよい。「ごめんちゃい!」の数文字の言葉など、何の意味も効力もない。いつもこのブログで書いているように、謝罪の言葉は責任を取ることではなく、これから実質的な責任を果たしていくという意思表明に過ぎないのである。