フジテレビ元アナウンサーの菊間氏が、社長の記者会見を受け、テレビ番組内で「アナウンサーのOGとしては、誰かと食事に行ったことでレギュラーを獲るとかね…そんな仕事じゃないですよ、アナウンサーって。やっぱり皆さん、一生懸命努力してアナウンス技術磨いて、取材先の信頼を勝ち得て、視聴者の方々の支持を受けながらすべてのアナウンサーは画面に出て活動しているわけだから。だから、そこを何か変に今誤解している風潮が凄く嫌だなと思うのと、アナウンサーの皆さんはそこはもう真摯に仕事に向き合っていただいて、自信を持って画面に出ていてほしいなと思います」と話した。
「誰かと食事に行ったことでレギュラーを獲るとかね…そんな仕事じゃないですよ」というが、こんなことは誰も言っていないし、思ってもいないだろう。今言われているのは、芸能人や事務所のお偉いさんたちの接待にフジテレビの女子アナが接待役のアテンドとして駆り出されていたのではないか、時には性の上納としてセッティングされたのではないか、ということである(被害者になっていたのではないか)。「レギュラーを取るために・・・」など初耳である。むしろ逆で、局アナは食事などに行かなくてもレギュラーの仕事をさせられるのだろうと世間は思っているし、仕事の性質上そうであろう。佐野アナでさえ大切な土曜日朝のレギュラー司会をしていた。以前菊間氏はまさにそのフジテレビアナウンサー室に在籍していたのだから、接待に出席するよう上司から言われたことがあるかないか、同僚が言われたことがあるかないかについて、自分の知っている点についてはっきりと正直に言えばよかった。
彼女はなぜ論点をずらそうとしたり、自分の知っていることを言わずに(自分が知っている範囲では接待命令があったかなかったか)隠そうとしたりしながら、逆切れしたのだろうか。ごまかしと自己弁護(責任逃れ)は、今、当事者(フジテレビ関係者)が最もやってはいけないことだと、弁護士になってもわからないのだろうか。フジテレビの体質が骨の髄までしみ込んでいるのかと、残念に感じた。少なくとも、一般人の感覚や思いとは異なっている。
現在のフジテレビの女子アナたちは、本当に会社を改革したい、普通の会社になってもらいたいと思うのであれば、黙認せずに団結して公表する行動に出たほうがよい(加害者である幹部や加害者がいる第三者委員会に訴えてももみ消されるだけだから)。退社は嫌だろうが、その覚悟で腐った会社に立ち向かってもらいたい。今、トヨタやNTT東日本、アフラック、明治安田生命などもフジテレビから撤退している。女子アナたちが立ち上がっても、結果的に退社にならず、後々会社の救世主として尊敬される。菊間氏は「自信をもって・・・」というが、このまま後ろめたい気持ちで(不適切行為を黙認し続けても)自信など持てないだろう。
話しは逸れるが、弁護士になってから菊間氏の態度が悪く(言い方や振る舞いがぞんざいに)なったように感じる。自分に能力があるように(あるいは強く正しく)見せたい人がとるハッタリ行動なのだが、それぐらいのことには気づいてほしい。「実ほど 頭を垂れる 稲穂かな」である。どうしても能力があるように見せたいのであれば、あえて逆の「謙虚なふるまい」をしたほうがよいだろう。
〈追記〉後で菊間氏について詳しく調べてみたら、現在フジテレビの顧問弁護士だった。上の記事が無駄になってしまった。