横綱照ノ富士が引退する。休場が続き、勝ち負け以前の問題だった。
横綱になると降格できない。だから、千秋楽が終わった時点で良い結果を残せないとわかれば、休場するか引退するか道はない。引退すれば給料はかなり減るので、世間の批判が高まるまでの数年間を連続休場して横綱としての給料(月給300万円)をもらい、そのまま引退という道が最近のパターンである。2年間引き延ばせれば、7200万円プラスになる。一生安泰だ。
横綱は、ほぼ全勝しないと批判をされる。体も丈夫で相撲もずば抜けてうまい人だけが横綱にならないと、悲惨な相撲人生を迎えることになる。2、3場所程度良い成績であっても、数年間ほぼ全勝で勝ち続ける力があるか判断できないだろう。本当に強い人だけを横綱にするか、横綱になっても大関などに降格できる仕組みにしないと、まだ相撲を続けたいのに辞めざるを得なくなり、本人がかわいそうである。名誉と金を得られれば、すぐにでもやめたいと思っているのであれば別だが。
いずれにせよ、相撲を取ることができない唯一の力士が横綱というのは、異常な状態である。横綱は最も強く、最も人格者で、全ての力士の目標であるべきだろう。