一般人が日常会話で話している言葉でも、お笑い芸人同士では手をたたきながら後ろにのけぞって大笑いする。

 今のお笑い芸人達は、「おかしい」、「おもしろい」と思う基準(笑うライン)が、恐ろしく低い。

 笑いながら話すお笑い芸人も非常に増えてきた。話術で人を笑わせられないお笑い芸人は、自分が笑いながら話すことで相手を「つられ笑い」させようとする。そこまでしてお笑い芸人をしたいのか。

 年末ということで、今晩は有吉氏の特番が4時間も放送される。ビートたけし氏や千鳥の特番も目立ってきた。有吉氏や大悟氏も笑いながら話すのが特徴だ。全盛期の若い頃のビートたけし氏は、まじめな顔をしておかしいことをたくさん言っておもしろかったが、今はおかしいことを話すことができなくなったため、(自分がおかしいと思うことを話す時には)笑いながら話すようになった。

 今年、中居氏や松本氏、フワちゃん、中丸氏など、テレビ局による過度な演出や売り込み戦法によってつくり上げられた砂上の楼閣、裸の大様たちは、事件を起こして崩れ落ちていった。今のほとんどのお笑い芸人達も、同じ道を歩まされているように見えるのである。

 おかしいことが言えないからなんでも全員で笑って雰囲気でごまかす。いい曲(数十年後の振り返り番組に出そうな曲)がないから大勢で踊って雰囲気でごまかす。視聴者を興奮させて番組を見るようにさせるため的外れなことを言うコメンテーターを使って炎上商法をする。お笑い番組も歌番組も情報番組も、本物が消えた。