兵庫県知事選で、前知事の斎藤氏が当選した。兵庫県民は、総意として彼の様々な不適切行為を不問にした。

 国政選挙もそうであるが、やはり民意で決めるのは良くない。民意、つまり国民は自分の気持ちや考えで投票するわけで、その気持ちや考えというのは、情報によってつくられるものである。どのような情報をどこからどれ位の量を得たのかによって決まる。だから、国民など情報合戦による駒に過ぎない。投票結果に、正当性も適切性も正義も関係ない。だから、何十年たっても日本の政治から違法行為や不適切行為が無くならないのである。国民が再選させてしまうのである。

 これで終わりということは無いだろう。「これから手続きを守ります」、「これからパワハラをやめます」といった言葉で済む話ではない。それが原因で、人が何人も亡くなっているのである。これからのことなどどうでもよい。やったことについて、その都度相応の責任を取るのが筋である。兵庫県民が不問にした以上、今後は裁判においてきちんと加害者や量刑を明確にするのが(無罪となればそれでよい)、亡くなった人達への社会の責任であり、法治国家としての行動であろう。