衆院選の選挙活動で、立候補者や応援議員は、「お願いします」と繰り返す。「自分に投票するようにお願いします」と言う意味なのだろうか。なぜ、あえて聴衆の間を走って周り、握手をして頭を下げるのだろうか。

 このようなことをするということは、何度も頭を下げてお願いしたり、握手をしてあげたり、走り回って頑張っているように見せたりすることで、国民は自分に投票してくれると思われているということなのだろう。いくら自民党議員と言えども、無意味でムダなことはやるまい。実際、これらの立候補者の振舞いによって、国民は投票しようと思うのだろう。

 演説やテレビでの討論なども、国民は真剣に聞いている。立候補者たちの発言は、当選したら本当に実行されるのだろうか。実現されるのだろうか。何の保証も担保もない。悪いことを言うはずもなく、できるだけ立派で理想的なことを言う戦いである。私の感覚的な見通しをあえていうなら、おそらくだれが当選しても発言通りのことが」実現されることは無い。多くの反対議員や官僚がいる中で、これまでと異なる立派なことなどに取り組むことすらできないはずである。これまでのように・・・。

 それに長年派閥解消を訴えてきたあの石破首相でさえ、唯一の派閥の長である麻生氏を最優遇し、頭を下げ続けている。政治家たちは、悪く変わることはあれ、よく変わることなど不可能である(一人で政治をやっているのではないから)。選挙期間中の立派な発言などは、結果的にまったくの嘘である可能性が高く、聞いていると国民にとってはマイナスにしかならない。

 国民は、街頭演説もテレビでの立候補者たちの主張も見聞きする必要は無く、これまでの立候補者たちの言動を振りかえり投票するだけである。ごまかしパフォーマンスを見て、自分の判断を狂わす必要性がどこにあるのか。