知識や経験を含めた「情報(量)」を基に人は考えたり判断したりするので、持っている情報量が違う者同士が議論をしても、かみ合わなかったり水掛け論や最後は口喧嘩になる場合が多い。いくら言葉だけで説明しても、相手にその情報がなければ信じることもできずに、とにかく否定してくることになる。

 建設的な議論をするためには、お互いに情報量をできるだけ持っていることが重要だが、それは難しいことである。数十年間かけて一人一人が情報を得て来ているもので、短時間に何かできる話でもない。

 意味のある議論を成立させるための他の方法としては、「自分の思った通りに話を進めたい(結論を得たい)」、「議論に勝ちたい」というおかしな目的を100%捨て、話し合う共通の目的を確認した後に、これから行う議論においてお互いの知識や経験、考えを練り合わせていくことを共に約束することだろう。