石破氏は、大きなミスを犯した。それは森山氏を幹事長にしたことだ。あまりにも古株の大物過ぎて、石破氏は彼の言うことを聞くしかなく、自分の思っていた政治ができなくなっている。

 幹事長にふさわしい人とは、石破氏本人が話していた通り、泥をかぶりながら総裁の考えをうまく実行していける人であろう。石破氏はそれを望んでいたのに、正反対の人を選んでしまった。森山氏はこれまでの自民党のやり方や慣習が骨の髄まで染み付いている人だ。相談相手、女房役の森山氏は、石破氏の考えを聞いたりそれを実行しようと努力するのではなく、これまでの古い自民党のやり方を上から押しつけようとしているのであろう。これほど石破氏の言動が日々変わっていることが、それを証明している。これでは、何のために石破氏が総裁になったのかわからない。

 石破氏は、自民党の全てを壊し、新しくするために総裁を目指したはずである。その実行のためには、これまでの古い悪しき自民党の体質が染み付いている人は、自分から遠ざけなければいけない。融和ではなく、解体なのである。悪人たちをバラバラに蹴散らし、力を奪い、古い自民党を壊した後に、堂々と去ればよい。それが彼の仕事であろう。これまでのことを踏襲するだけなら、彼ではないほうがよかった。

 次々に自分の考えを変えなければいけなくなっている石破氏は可哀そうだと思うが、自業自得であろう。