高齢のドイツ人が富士山8合目で転倒し、ブルドーザーで下山したというニュースがあった。関連ニュースを見たら、アメリカ人親子が薄手のシャツにスニーカーで富士山の登り、8歳と12歳の姉妹が疲労で動けなくなって救助要請、スニーカーのフィリピン女性が転倒して足首を負傷し警察官の方を借りて下山、など今月だけでもきりがない。

 特徴を見ると、外国人で軽装、靴はスニーカーやサンダルというものである。山というと、土の坂道がほとんどで、所々に大きな岩があるからよじ登ったりするというイメージがあるが、富士山は少し大きな石がごろごろしている所もあって、非常に歩きにくく捻挫をしやすい。しかも標高が高く急で長い。気軽に背筋や低山の感覚で登ってはいけない山である。そのアナウンスが少ないから、外国人はどんな山か知らないで登ってしまうのだと思う。外国人でも、危険とわかっていれば登ったりはしないのではないだろうか(少なくとも普通のかっこうで来た子供連れの家族やスニーカーの高齢者は登らないと思う)。

 いつもマスコミのことを言って申し訳ないのだが、「米がない」(=「だからみんな今すぐ買え!」。事実を伝えることは正しいが、その伝え方によって国民の行動が変わってくる。まとめやコメンテーターは時間つぶしであってはいけない)というあおりもそうだが、社会的使命を果たさず無責任に素人感覚で仕事をしていると思われることばかりなので、改善しないと国民や海外の人の利益や健康、生命、そして国益などを大きく損なう(慰安婦問題の始まりなど)ことを、特にテレビ局の人は認識してもらいたい。

 国内はもちろん、海外にも向けて適切な情報発信をしなければ、「弾丸登山は禁止」と言っても「なぜ?」と思うだけで実行されてしまう。人への説明の仕方がうまい小学校教員などにアドバイスを受けながら、富士山登山に関する情報発信を質量ともに変えていかなければいけない。