お笑い芸人の仕事は、自分たちが大笑いすることではなく、視聴者を大笑いさせることではないのだろうか。

 今のお笑い芸人達は、一般人が笑わないような普通の会話や出来事でも大笑いするなど、「おかしい」、「おもしろい」と感じるアンテナがとても低いと思う(一般人以下)。当然、他人を笑わせる才能もないから、視聴者を無視し仲間内だけで「誘い笑い」と「キレ芸?(普通のことを大声で叫ぶ)」でお互いに笑い合ってあげるなど、傷のなめ合いをしながら仕事を得ている。はたで見ている視聴者は、つらく悲しい気持ちになるのではないだろうか。そして、それをコメント欄や口コミなどで非難されると、本人たちは「お笑いは難しいんだ!」、「それならお前がやってみろ」と逆切れしてくる。いやいや、国民は自分ができないから、お笑い芸人をやっていない(やってはいけないと思っている)のだが・・・。どういう論理なのか。自分たちも、本当はお笑いの仕事がつらく嫌のように見える。

 数十年前は、当然のごとくおもしろい人がテレビで活躍するようになっていたが、今はそうではなくなってしまった。日本のお笑い文化をどんどん破壊しているのは、これまたテレビ局である。面白くないお笑い芸人達が悪いのではなく、そのような人々をあえて採用し(芸能事務所とのしがらみや癒着)、過度な演出(テロップやバックに笑い声を挿入等)によって一応番組を成立させているテレビ局に全責任があるだろう。

 日本のお笑いも、情報番組も(多様な意見の禁止)、ニュースも(キャスターに逃げ回るジャニタレを使う)、歌謡番組も(画一化させた)、そして政治も(黙認姿勢)、劣化させている張本人はテレビ局だと私は思うが、間違っているだろうか。