日本がインドに艦艇搭載用の通信アンテナを輸出できるように手続きを進めている。中国をにらんでのことだという。
しかし、いくら日本が外国に協力しても、援助しても、それは無駄に終わるだろう。利用されるだけされて、あとは知らん顔をされるのがいつものオチである。
なぜ日本はそのような扱いを世界から受けるのだろうか。長年インドネシアに経済協力をし、新幹線の調査をし終わった後に、最後は安い中国の高速鉄道を選んだ。韓国に対しても経済発展をさせてきたのに、恩を仇で返してくる。ウクライナ問題でも、ロシアとの関係において日本の国益を大きく損なってまでG7と完全に歩調を合わせても、G7は一地方都市の長崎(平和祈念式典)の判断に一斉に反対するなど、少しでも賛成できないことには日本のこれまでの協力や関係などは全く考えることもなくあっさり反対行動をとってくる。
例えば中国やロシアは、発展途上国を中心にインフラ整備や武器提供をしている。そして、協力をしてもらった国々は、国際政治において中国やロシアの言う通りに動いている(国連での多数決などで)。日本は、いくら長年協力や援助をしても他国から全く協力してもらえない。この違いは何なのだろうか。
ロシアや中国に逆らうと経済制裁や軍事攻撃などが怖いが、日本は恩を返さなくても文句も強く言ってこないだろうし怖くもないから、外交において日本に協力する(恩を返す)必要性を感じていないのだと思う。日本は完全になめられている。性善説の政府など、世界中には無いと思ったほうがよい。世界の国々は、強気で怖くて核を持っている国の言うことを聞くのである(聞かざるを得ない?)。優しさを見せると、つけ込んでくる。当たり前のことなのかもしれない。日本も思いやりで外交をするのではなく、国益で行動したほうがよい。そうでないといつまでも「正直者は馬鹿を見る」が続いてしまう。
もちろん、そうするためには、アメリカから事実上独立し、強大な軍事力、つまり核を持って、世界各国と対等に交渉していく覚悟と強さが必要であるのだが、それは戦後の日本人には無理であろう。ではどうするか。裏切られたら終わりの「援助」や「協力」、「国民同士の交流」一辺倒ではなく、これらと並行して軍事力拡大以外の新たな方策を探り取り組むことが重要である(例えば、日本の歴代総理がよく言う「世界をリードする」ではなく、インドやブラジルのように浅く広く付き合う外交に転換するなど)。
日本の文化や食、アニメガ好き(だから日本に行ってみたい)という外国人は多いが、それはまさに日本固有の文化、食、アニメそのものが好きなのであって、それがどこの国の物でも関係ない。日本に対しては、自分たちが好きなものを製造している国という感じだと思う。だから、日本人や日本全体に対して尊敬するとか協力したい、世界をリードしてもらいたいなどということにはならないのだと思う。外国から見ると、日本は物珍しい単なる「テーマパーク」のような感覚ではないだろうか。
野蛮な人間の世界では、人をたくさん殺せる軍事力を持つことが、世界で影響力を持つことになる(脅しや恐怖政治という形であるが)。精神面(道徳)やこれまでの協力、援助などは、国際政治においては何の意味もなさない。日本では新しい首相が決まる。日本の進むべき方向性をしっかりと持ち、その実現のために組織的、戦略的に国際政治と向き合っていくことが求められるだろう。