奈良の鹿が、急激な外国人旅行客の急増に伴い、すっかり変貌してしまった。

 鹿に接したり鹿せんべいをあげたりする多くが、奈良の鹿は神のつかいであることを知っており、穏やかで思いやりのある日本人の時代はよかったのであるが、観光客の多くを占めるようになった外国人たちが鹿をテーマパークのキャラクターと思い、からかったり、しつこく鹿を触りまくったり、大声を出して鹿を驚かせたり、せんべいをじらしてあげなかったり、変なお辞儀の動きを教えたりするようになり(中国人の場合はたたいたり蹴ったりする)、鹿も外国人のように荒々しく攻撃的になってしまった。

 本当は外国人だけでよいのであるが、それでは自分たちの行為を棚に上げて文句を言うだろうから、全ての観光客を対象に、「鹿には触れない」というきまりをつくったほうがよい。そして、鹿せんべいもしばらく廃止したほうがよいだろう(鹿がお辞儀をしなくなるまでには10年程必要だろう)。

 これからさらに外国人旅行客が増える可能性がある。どこの観光地や都心の繁華街もそうであるが、外国人観光客の振舞いが目に余るようになってきた。日本の教育や道徳、礼儀やマナー、社会常識や習慣を1つも学んでこなかった外国の人がどのような行動をとるかは想像に難くない。起こるべくして起こっている現象である。良し悪しは別にして、それが彼らの国の常識なのである。そのような人がたくさん押し寄せた場合のことを想像しながら、各観光地では事前に対策を取っておくことが重要であろう。