岸田氏が次の総裁選に立候補しないことを表明したのは、麻生氏の協力が得られなかったからというニュースが流れている。菅前総理の時と同じだ。

 麻生氏は国のことを考えて行動しているだろうか。それとも自分個人が独裁者のごとく思ったように国(首相)を動かしたいと思っているのだろうか。

 岸田総理は民主政治を取り戻すべく一人で派閥解消に向けて頑張ったのに、マスメディアは岸田氏をバックアップすることもなく、麻生氏と茂木氏が派閥(「派閥」という名前を変えたとしても数を残せば同じこと)を温存することを認めた。派閥政治は、数にかまけた独裁政治である。それを地で行くように、自分の言うことを聞かない総理を次々に降ろしていく。黙っていることは、認めることである。マスメディアは派閥温存時に追及することを放棄して麻生氏を擁護し、この国の独裁政治を守り抜いた。

 政治に対し、現実的、効果的に直接批判をおこなえるのは、警察でも法務省でも裁判所でも国民でもない(現実的に難しい)。それができるのは、唯一マスメディアだけである。マスメディアは、視聴率や利益、忖度、バラエティで頭がいっぱいなのかもしれないが、国や国民にとって最も重要な仕事も担っていることを思い出してもらいたい。