富士山での事故(けが)が、いっこうに減らない。外国人や年配者が多いようだ。
富士山が、気軽に登山ができる山だと思っているからなのだろう。テレビ番組などで登山者を見ると、スニーカーやサンダルにTシャツ短パン姿で、手提げ袋をもって登って行ったり、小さい子供やおじいちゃんも一緒の家族など、低山にハイキングに行く感覚のようだ。富士山が天候や気温の変化が激しく、道はでこぼこの急坂で距離がとても長く、さらに高くて高山病の危険もあるという、素人にはとても怖い山である。
それなのに軽装で気軽に登山をする人が耐えないのは、富士山がどのような山なのかの国や地方自治体、マスコミ、旅行社、SNS管理者等によるアナウンスややり方が不適切だからである(質・量ともに)。エベレストに普段着で登山をしたり弾丸登山をする人はいない。それは、エベレストがどのような山なのかを皆が知っているからだ。国や地方自治体、マスコミなどは、正確な情報を得られずに命を危険にさらされた素人登山者を責めるのではなく、まず自分たちが命を守るために適切な情報発信を行うことが重要であろう。
それと並行して、登山道入り口で、登山技術や登山経験は見た目で判断できないので、最低限の安全な服装だけはチェックして入山させたほうがよい。現在は、Tシャツでも登らせている(声掛けはしているが)。具体的には、靴は登山靴(運動靴ではでこぼこ道で滑ったり捻挫をするので危険)、長袖の服、上着、雨具、水分、携帯電話だけは必ず身に付けることを徹底したほうがよい(もちろんその情報も広く発信しておく)。それらがない人は、入山させない。