女子バレーや女子卓球、女子バスケなど、「試合を楽しみたい」と、はったりを言って勝った選手やチームはない。優勝するような選手たちは、このようなふざけたことは、思いもしていないだろう。違う心構えや明確な目標を持っているはずだ。
この言葉が出たら、「ああ、もう負けを覚悟しているのか」と、つまらない気持ちで試合を見ることになる。試合を見ているほうとしては、この言葉を言わないで、とりあえず戦ってもらいたい。選手としても、さらに自分自身にプレッシャーをかけることにしかならないので、言わないほうがよいのだが。
海外のスポーツ選手で、このようなことを言ったことのある選手は1人でもいるのだろうか。この言葉を使い出したのは、私の記憶では日本の女子卓球選手ではないかと思い少し調べてみたら、福原愛氏はアテネ五輪の後のインタビューで「楽しむために来たんじゃありません」ときっぱり話している。この言葉の意味をよく理解しているようである。石川選手を調べると、「(試合を)楽しんでやろうと思っていました」との発言があった。ここからのスタートの可能性もある。いまは、伊藤選手が中心となって自分や仲間に対して繰り返し発している。非常にまずいのだが。