いわゆる「ジャニタレ」(旧ジャニーズ事務所で育ち、今の地位を得た人々)は、小さい頃から大人たちにチヤホヤされ、能力に関係なく仕事をもらえ、人気がでるようにお膳立てしてもらった。普通の社会人として生きたことはなく、中学卒業後、道徳や社会常識を学ぶ機会もなかったと思う。テレビ局と事務所の癒着からの過度な演出とニセ情報によって、国民も本人たちも人気者グループになったように思わせられる。年上のスタッフや年上の芸能人に対して傲慢にふるまう。弱い者には強く当たり、強い者には媚びを売る。それをやっていると、一般会社員の数十倍のお金が入ってくる。天狗になって怖いもの知らずとなり、最後はやりすぎて事件を起こしたりスキャンダラスな写真が流出したりして謹慎する。自然な流れだろう。

 ある程度常識のある教員の世界でさえ、とても多くの研修が繰り返し行われる。旧ジャニーズ事務所も、月に1度程度は、コンプライアンスやハラスメント、社会常識、人との接し方やマナー(思いやり)、日常の言動などに関する研修を行ったほうがよいと思う。中卒後、これらについて彼らは学ぶ機会がなかったのだから、知るよしもない。犠牲者ともいえる。

 いや、それよりも旧ジャニーズ事務所の社員たちが、研修を受けるほうが先である。そうしてまず自分たちが普通の社会人感覚(法令順守やハラスメント防止などの意識)を身に付けないと、所属タレントにも研修を受けさせたいという気持ちに至らないだろう。