政治家や有名人が、他人に対して不適切なことを口走り、後に謝罪するということがたまにある。
秋田県知事もよくやってしまう。彼がまずいことを言ってしまった時、情報番組のコメンテーターなどは、「自分で思っていないことを言うのはできないんだから、言い間違いやミスではない」と非難していた。
しかし、この非難は適切ではない。思ってもいないことを口にすることなんて、人間にはたくさんある。例えば、Aという質問に対して、Bという回答をバラエティや日常などでよく耳にしていると、自分がAの質問をされた時にBというフレーズを反射的に発したとしてもおかしくない。むしろそのような場合のほうが多いかもしれない。小学生が親と大喧嘩をした時、「お母さんなんて死んでしまえ」などと言うこともあるだろう。もちろん、子どもは本音でそんなことは思っておらず、どこかでそのフレーズを何度か聞いて覚えており、喧嘩をした時に発する一つの道具(フレーズ)として反射的に口から出たのだろう。
あらゆることは、単純な話ではない。コメンテーターや芸能人たちが意見を言う時には、よくよく考えてからにしてもらいたい。もちろん考えるだけ無駄な人もいるだろう。考えることで適切な意見に集約できる人は、幅広い教養と専門的な知識、思考力、判断力が必要であるが、大丈夫だろうか。