今はGIGAやICT、主体的、対話的、学び合いといったことに研究者や現場教師の力が注がれ、これまで偉大な研究者達が作り残してくれた教科の本質や指導に関する多くの成果が軽視されてきている感じがする。これからは、ITを操り世界で渡り合える人材を育てるといった経済社会からの要請なのかもしれないが、小学校教育を本当にこの方向にかじを切ってよいのだろうか。タブレットやプログラミング学習なども、発達段階を無視して指導時期を無理に早めてみても、小学生にとって大きな負担にしかならない。中学校から始めたほうが発達段階にあっており、適応がスムーズにいき効果も大きいように思う。すばやく紙ベースで多くの情報を眺めたり同時に見比べたり、あるいはノートに好きなように書き込んでみたりできる自由さを奪い、内容的にも操作的にも限定された小さな範囲のタブレットの中で学習を強いられる苦痛は小さくないだろう。小学1年生からタブレット!ではなく、中学1年生からでよい。小学1年生は、自分の手で実際にブロックを持ち考えながらいろいろと動かしてやらせることのほうがはるかにわかりやすく思考が働く。
10年後には指導要領の改訂でかなり元に戻るのだろうが、無駄な時間というかマイナスの時間がもったいない。