「セクシー田中さん」の原作者が死に追い詰められた事件で、加害者側の日本テレビが自主検証をして発表したが、それで終わらせていいのだろうか。加害者側が自分のことを検証などありえないことだし、当然発表した結果も「意思疎通ができていなかった」「これから気をつける」といった趣旨のもので、他人事であり、「やったこと」について責任(原状回復か、不可能であればそれに見合う行動)をとっていない。例えば、万引き犯が「これからは気をつけます」といえば無罪という論理は適切ではない。

 おかしなカモフラージュ調査をやってみせ、記憶力の悪い国民のほとぼりが冷めたころに調査結果を発表するという、悪知恵に満ちた寸劇をやって「この事件はもう終わり」など許されないことである。

 日本テレビ以外のマスコミや警察は日テレの調査結果発表後は一切この件に触れず、事実上死に追いやっても無罪と結論付けた。これでいいのだろうか。

 日テレはジャニーズ問題やニュースキャスター(ジャニタレ)による報道拒否、24時間テレビの寄付金横領、今回の自殺へと追い込んだいじめ等々、数々の事件について責任を取らずに逃げ切り、その結果「何でもできる」「何がバレてもなんとかなる」と自信を深め、今では旧ジャニタレとの癒着番組も、タガが外れたようにやりたい放題だ。

 マスメディアが正義・道徳(公平・正義、責任、正直等々)から離れ、なんでもありの状況が普通になることはとても危険だと思う。もう手遅れか。昨日、京都鴨川の河原がゴミであふれているというニュースを見たが、ごみを捨てるのが平気な若者が増えているということだ。以前の日本人は、そんなことをする人はあまりいなかった。私は、権力や影響力がとても大きく日本社会を引っ張る立場の「政治家」と「テレビ局」の二大巨頭が、一般人でも驚くほど法や道徳を無視し、悪知恵を働かせて悪事を堂々と繰り返し、言い訳をして平然としている姿を国民に見せ、それが規範となってしまい、国民(特に若者たち)も自分たちがやりたいようにやり、注意をされても反省しなくなったのではないかと思う。政治家とテレビ局員が、伝統ある日本社会の秩序や正義、思いやりを破壊し、混沌とさせてしまったのだと思うが、間違っているだろうか。