高知の小学生が水泳の授業中におぼれて亡くなった事故で、指導や子どもの安全監視にあたっていたのは教頭と学級担任2人の計3人ということだ。
全体指導教員が1人、個別指導教員が1人で、教頭がプールサイドから全体の安全監視をしていたのだと思われる。
指導にあたる担任以外に、常にプールサイドから全体を監視する教員を1人つけるのが一般的であり、今回も人数的には問題がなかったであろう。もちろん教員の数が多いに越したことはないが、1学年の学級数が少なければ今回の人数でも不適切ではない。
問題は、水の中に入って指導をせずプール全体の安全監視役の教員の行動である。すべてはこの教員が原因であろう。私も水の中に入らずにプール全体の安全監視役を何度もやったことがあるが、プールサイドを歩きながら常にプール全体を見ながら水の中の子供達の危険な行動と水の底に目を光らせていた。おそらくプールのどこの底に子供が沈んでも、潜水ではないと判断した時点で(おそらく20秒以内)、水の中にいる担任達に叫んでそのことを伝え、私自身もプールに飛び込んで助けに向かうだろう。
私の想像では、今回、全体監視の重要性ややり方がわからない教員が、他の仕事をしてプールから目を離したり(ビート板を片づけたり塩素を入れたりなどで)、ボケ~ッと水の中で練習している子供たちを眺めていたして起きた事件ではないかと想像される。
ある小さな小学校に勤務していた時に教室で授業をしていると、突然窓の外から女性教員の「ギャー」という声が聞こえてきた。プールにいた教員の叫び声だった。子供がプールに沈んでいたのである。どれくらいの時間が経過したのかわからないが、残念ながら子供は亡くなってしまった。その後も数年間、いろいろと大変だった。今でも叫び声が頭から離れない。水泳学習の恐ろしさを、教員たちは肝に銘じてほしい。