北陸新幹線が敦賀駅までつながった。大阪までの残った区間は140キロだという。しかし、沿線である京都府の一部の住民が、トンネル工事で出る残土の処理や地下水への影響を懸念して反対し、着工のめどが立っていないという。

 残土を置く場所で困ったり地下水へ影響が出たりするというのが事実なのかをよく調査する必要があるだろうし、もし事実だとしたらそれらの問題を回避する方法が本当にないかを検討することも重要である。

 もし残土と地下水の問題が実際にあり回避案もないとしたら、新幹線を大阪まで延長する市内の話は、両者(京都府の一部の住民と今後数十年間にわたって敦賀ー大阪間の新幹線を使う多くの人)のメリット、デメリットの比較となる。結果は出ている。多く場合、少数の誰かにとって何らかのデメリットはあるものであるが、そちらを優先させていたら何も始まらない。私の想像では、残土を使いたいというところはたくさんあるように思うし(畑や土地のかさ上げ工事現場、海岸の埋め立て地など)、地下水もどうなるか不明で仮に何らかのわずかなデメリットが生じたとしても新幹線を延長しないデメリット(数十年にわたる数千万人の利益)に比べたら取るに足らないことのように思うのだが。少数の実害に対しては、JRか恩恵を得る自治体などが補償すればよい。