よく、「見た目で人を判断するな」といわれるが、見た目でだいたいわかるものである。見た目と中身が異なることのほうが希である。身なりや体の動きは中身の脳が命じているのだから、当然と言えば当然であろう。「見た目」は、精神が作るのである。小学生でさえ怪しい大人のことを見た目で判断できるもので、学校では(見た目で)怪しい人に近づかないように指導もする。

 鼻ピアスをしたりタトゥーを入れたりしている医者や教師はいないし、格好も所作も上品な無職のアル中もいないだろう。「見た目で人を・・・」という人は、例外(少数)について語っているのであろうが、普通の会話では一般的な話(傾向の話)をするのが妥当であろう。幹の話ではなく、あえてごく少数の枝葉の場合を取り上げて、「だから見た目で判断しないようにしよう」というのでは、話が現実と離れて訳が分からなくなるし、女性が夜道で危険な目に合うなど犯罪も多くなるだろうし、人付き合いや就職の面接などで不適合が多くなるだろうし、社会生活がめちゃくちゃになってしまう。

 揚げ足取り、屁理屈の一種であろう。