大阪府の中学校で、休み時間に男性講師が3年生の男子生徒から体形をからかうようにアニメキャラクター名で2度呼ばれ、生徒の胸ぐらをつかんで押し倒し、左の脇腹や側頭部を殴った。 他の生徒が目撃し、別の教諭に訴えて発覚した。以前から、この講師は複数の生徒たちから悪口を言われ続けていたという。

 私が最初に違和感を感じたのは、周りで見ていた生徒たちは、講師に対するいじめ(悪さ?)を見た時には見て見ぬふりをし(他の教師に訴えず)、反撃行動には反応して他の教師に訴えているという点だ。全生徒がグルだったのだろうか。これまでも生徒たちによる講師へのいじめが続いていたということは、多くの生徒が知っていたことと想像されるので、この中学の生徒の多くが、善悪の感覚に問題がありそうな感じがする。このように育てた中学の教諭達と保護者達に原因があると思う(教育の失敗)。

 口で言っても、ふざけるだけの子供は、地域によっては結構いる。それが集団となったら手が付けられない。他の考え(きちんとした誠実でまじめな気持ち)を持ち合わせていないから、話して聞かせても注意しても、戻りようがない子供もいる(戻るものを持っていない)。理想ばかりを語る教師や教育学者たちは、まだ地獄を目にしたことがない人々であろう。

 校長は、出席停止にするのは基本的に拒む。教育力不足だと教育委員会から思われるからなのかもしれない。真剣に勉学に取り組もうとせず、話して聞かせても無理な生徒に関しては、すぐに出席停止にできる環境が必要だと思う。本来であれば、講師が教頭か校長に生徒達からの暴言が止まらないことを訴え、講師を他の仕事(担任のサポートなど)に替え、学校の教諭全員でこの問題について生徒達の指導にあたるのだろうが、この学校は講師が上司に相談できる雰囲気ではなかったのだろう。この学校は、生徒も問題ありだが、管理職にも問題ありの学校であったと推察される。

 事のてんまつは、講師と校長が謝罪をしたということだ。講師に悪口を言っていた生徒も、今回のことでもっと調子に乗るだろう。全校生徒たちも、何がよいか、どうふるまっていけばよいかを学んだ。恐ろしいことである。これが教育か。戦後すぐの学校であったら、全く問題にならなかった。悪いことをした生徒が教師から殴られるのは当たり前であったからだ。現代は、教師が生徒をたたくのが悪いのであれば、生徒に注意をしてもやめない場合は出席停止にして、家でじっくり何が悪かったのかわかるまで自分自身で考えさせて反省させるのも、よい教育だと思う。

 教師たちは、どこまでも生徒たちを好き勝手にさせ、気を使ってどんな言い分も認めていると、世の中にどんどん悪い大人が増えそうで、とても心配である。