松本疑惑について、「昭和では当たり前だった(だからまっちゃんは悪くない)」という。

 確かに昭和の時代は、パワハラ、セクハラ、モラハラなどが多かった。しかし、大企業の社長や校長、関東の一流芸能人などは、素人相手にセクハラなどするような夜遊びはしなかった。昭和の時代には、ハラスメントをやる人は多かったが、まったくやらない人や被害者も当然たくさんおり、感覚的には3対7くらいではないだろうか。やる人はやったが、やらない人はやらなかった。

 やらない人が多かったということは、やはりそれらの行為が悪いことだとみんながわかっていたからであろう。しかし、「赤信号、みんなでわたれば、こわくない」で、自分が思ったようにやりたい、威張りたい、他人を征服したい、すっきりしたいと思う人々が、みんなやっていたのだと思う。いくら昭和の時代だからといって、よいことではなかったのである。

 当時でも現代でも悪いことであったならば、「昭和で多くの人がやっていたから道徳的、法的に許される」という考えはおかしい。「昭和だったから」と言う理由でハラスメントや人権問題を茶化したり、あるいは「仕方がないこと」、「許されること」と認識したり流布したりすることは、反省や今後の社会の在り方からも、改めなければいけないことだろう。

 現在、昭和時代の人権侵害やハラスメントを茶化して笑うようなドラマが放映されているが、真剣に反省すべき問題をこのように扱うことで、人権侵害やハラスメントに対する国民による認識を「軽いもの」、「形式的なもの」にしてしまうことは覚悟したほうがよい。

 テレビ局は相変わらずである。やはりジャニーズ問題の時に、各テレビ局が第三者委員会による社内検証を拒否したことが、ターニングポイントであった。