パリ五輪の補欠(リザーブ)としての参加について、伊藤美誠選手が「私はリザーブというのは向かない。行かないと思う」と語った。

 五輪期間中、正選手たちの後ろで球拾いをしたり選手たちのかばんなどを運んだりすることは、プライドが許さないのだろうか。早田選手も平野選手もそれを経験したからこそ、今の地位まで謙虚に地道に登って来られたのだと思う。伊藤選手は、ゆがんだプライドを一度完全に壊してから新たにスタートしない限り、4年後に中国選手に勝って五輪シングルスで金メダルを取ることは難しいだろう(次の五輪まで心身が持たないと思う)。

 確かに伊藤選手自身が言うように、団体参加に向かない面もあると思う。彼女の試合に対する姿勢(「試合を楽しみたい」等)や他者に敬意を欠く振る舞い(相手をバカにするような笑い)、幼いふざけた雰囲気は、誠実に真剣にパリ五輪に向かう日本チーム全体に悪影響を及ぼすと私は思う。

 伊藤選手自身の成長を考えれば補欠参加をしたほうがよいと思うが、日本チーム全体のことを考えれば参加しないほうがよい。難しい判断である。やはり五輪は日本が勝つということが最優先であろうから、伊藤選手自身の「行かないと思う」という判断は適切なのかもしれない。