総理大臣は、台湾や経済、災害などの有事について予算委員会などで質問を受けた時、よく「仮定の話についてはお答えできません」というが、「将来のことだから準備や対応は考えていません」、「発生してから場当たり的にやりますよ」ということなのだろうか。
そもそも政治というのは、将来(過程)をよりよくするためにおこりうることを予見し、前もって対策を考えて実際に準備をしたり法案を成立させたりするのが仕事ではないのだろうか。
「個別のことについては回答を差し控えます」ともいうが、予算委員会で議論をしていることのほとんどは個別のことである。個別の改善で、結果として全体がよりよくなる。都合の悪いことから逃げる時に、言っているだけのように見える。
不適切行為をした議員について「説明責任をきちんとすることが大切」とも総理はよく言うが、悪い人が嘘やごまかし、責任逃れを言えば、逆に罪はもっと重くなる。
このような岸田氏をはじめ政治家がよく言うお決まりの言葉は、私にはとても悪い考え、悪い人に見えるので、これらのせりふを言うくらいなら何も言わないほうが、政治家本人にとっても不利にならないと思うのである。しかし実際は、このような言葉を政治家が言っても不利にはならず、誰からも「すごく悪い人だ」と思われることもない。おかしなことだが、そうなっている。原因は、マスコミも専門家も批判をせずに見逃しているためで、それによってこれらの言葉が免罪符のように政治家たちにうまく利用されるようになってしまっているのだろう。いじめも裏金も性加害も、黙っていることは認めることである(黙認)。