ペットを飛行機の客室に入れるかどうかの議論をJALが始めたというニュースを目にした。

 賛成派は「ペットは家族だ」という。そう思っているのは飼い主だけであり、一般の国民には関係がなく、動物とみる。だから、ノミやダニが自分やいすに移ったり、機内で吠え続けたり、猫アレルギーの人にとって危険だ、といった認識がある。匂いもあるだろう。ノミなどについては、ペットをきれいに洗っているというだろうが、動物だから人間のように毎日お風呂に入るわけでもないだろうし、時々洗っているというのもどの程度の頻度なのか、そもそも本当に時々でも洗っているのかの保証もない。機内に乗せたいために嘘を言う人のほうがはるかに多いだろう。どうしても客室に乗せたいのだし、体を洗った証明もいらないのだから。そもそも、ペットには法律も適応されず、税金なども払う必要はない。家族と言っても自分の両親や子供のような人間の家族と同程度になれるわけもなく、非常に大切な存在ということだろう。人間と同程度の、いわゆる「家族」と表現するのは、気持ちはわかるが適切な表現とは言えない。他人を説得するための極論だろう。

 機内にペットを乗せてもよいとしている会社も、手荷物扱いだから緊急時にはおいて逃げるようにしている。しかし、家族と思っている飼い主はその場にペットをおいて自分だけ逃げるということをするだろうか。ペットが入ったバッグを持ち、椅子に引っかかったり落としたりしながら遅く機外へ逃げることは、後ろに続く人々の危険を高めることになる。

 ではどうすればよいか。ペットを客室に持ち込むことは、喫煙と同じく本人だけがよければ他人に迷惑や危険性を与えてもよいという発想だと思うので、ペットを遠くに移動させる場合、基本は自家用車であろう。荷物室でもよいという人は飛行機に乗ればよいと思う。海外にぺっとをつれて行きたいが荷物室はいやだという人は、船(船も荷物室?)しかないだろうが、そこまでやるひつようがあるのか。あとは、個人の気持ちで選択すればよい。他人が迷惑を被る話ではない。「強制的に迷惑をかけない」が他人と生きる社会での全ての基本である。

「多様性」や「自由」の言葉だけでは済まされないこともたくさんあるだろう。