羽田空港での事故について、どの情報番組もニュースも専門家もCAをたたえている。
なぜそうなるのだろうか。乗客全員が助かったからなのか。助かったのは、機体が一気に燃え上がったり爆発が起きなかった偶然による賜物である。それがCAの活躍が要因であるとはならない。
結果的に乗客が偶然助かったかどうかで見るのではなく、もっと早く乗客を外に出すことができなかったかどうかで、CAの評価が下されるのが筋である。
窓の外には炎が見え、機内に煙が充満してくる1分1秒を争う状況下で、乗客を席に座らせたり姿勢を低くさせたりすることが本当に適切だったのだろうか。もっと適切な行動が考えられるだろう。ドアを開ける前に燃料に引火でもして爆発していたら、CAに対するテレビ局の評価は180度変わっていた。「CAはすばらしかった。よかった、よかった!」ではなく、今後のためにしっかりとCAの行動について検証したほうがよい。良い材料である。
あえて言うなら、乗客全員が助かったのは、少しハンディを与えられてしまったにもかかわらず、乗客たちの冷静さ、思いやり、見事な協力体制がよかったためである。もし私が搭乗していたら、今回の乗客のようにふるまえるか自信がない。