24時間テレビの寄付金着服問題について、元日本テレビアナウンサーの羽鳥氏は「今後すべての系列局でチェックして、1人の人間がやった異常な、特殊な事態だったとお伝えしないと、じゃあもう寄付しないよ、となっても仕方がないなと思います」と語った。
一方、別の番組で元東京地検特捜部副部長の若狭弁護士は、一般的な着服事件は当初発覚した額の5倍から10倍くらいのことが多く、徹底して膿を出してもらうために被害額は本当はいくらだったのか警察にやってもらわないと、どんどん防げなくなると説明した。
これを見て、ジャニーズ事務所の会見と重なって見えた。身内の実態を知らないまま軽々に井ノ原氏が、「『圧力などないから忖度しないで』、とテレビ局のスタッフに話している」と事実と異なることを語っていたが、羽鳥氏は莫大な寄付金を他の日テレ関係職員が本当に着服していないと公言していいのだろうか。彼は寄付金に関わった全ての日テレ関係者について自分で調べたのだろうか。
全国放送の司会者として、「1人の人間がやった異常な、特殊な事態だったと・・・」と、本当に1人なのかどうかわからない現時点で、自分の組織に都合のいいように断定して無責任に全国に発信していいのだろうか。こういうことは、罪にならないのだろうか(司会者が、まだわからないことを都合のいいように断定し、公共の電波を使って社会全体に伝えること)。
テレビ局にいる一人一人の認識や発想が、一番の問題なのだろう。ジャニーズ問題においてテレビ局の第三者委員会による社内調査・公表(弁護士の会見)無しに、テレビ局員の傲慢さ、不適切な認識を打ち砕くことはできないのである。