ドラマや映画では、身内が出兵したり病気にかかって死んでしまうあらすじのドラマが非常に多い。出演者の死を扱っておけば簡単に視聴者は涙を流し、展開が気になって見てくれるので視聴率も上げられる。たしかに人の死は心が揺らぐが、それは決して感動などではなく、ただの悲しみである。葬式で泣いたとしてもそれは感動ではない。素晴らしい葬式でも素晴らしい作品でもないのである。
制作者側は、「身内の死」以外の他の展開は考えつかなかったのだろうか。同じ「死」にしても、出兵や病気からの死など、これ以上陳腐な展開はない。もう何百回も見てきた。もういい。それほど展開の話題がないなら、無理をして作品を作らなくてもよいと思う。身内の死を視聴者に「感動的なドラマだ」と誤解させて番組の評価を上げ、安易に視聴率を稼げる戦法に、他人ながら恥ずかしくなる。
話がそれるが、今朝の朝ドラ「ブギウギ」では、出兵と病気の2つの話が同時並行で進んでいた。NHKのドラマは無駄にお金を使うので(セットや物などに対して必要以上にこだわる)、以前から違和感があったが、今朝の「ブギウギ」でNHKドラマは「ここに極まれり」といった思いがした。NHKは、やることが頓珍漢な感じがする。NHK職員は公務員同様に自己満足で終わらないように仕事をする必要がある。相手があっての仕事なのだから、要求を捉えてそれにこたえていかなければいけない。