最近、長時間にわたる昭和の歌謡曲特番をよく目にする。どの曲も個性的で後世に残るような名曲ばかりだ。平成、令和時代に見られる同じような曲、同じような振りつけのジャニーズグループと坂道グループの曲とは全く異なる。そしてジャニーズ問題が発覚するまでは、このジャニタレと坂道の2大勢力が歌謡番組の大半を占めていた。

 もしジャニーズ事務所と秋元康氏が業界で力を持たなかったら、テレビ局が彼らに忖度しなかったら、昭和時代の歌謡曲のような後世に残る名曲がたくさん出てくる土壌が続き、昭和と同じほどの数の名曲が生まれていた可能性もある。昭和と同じ数ほどの名曲がさらに日本歌謡界に誕生したかもしれないと想像すると、ぞっとするほど悲しいことだ。

 今回の事件を契機に、画一化されてしまっていた歌謡界、お笑い界(身内だけのバカ騒ぎ、傷の舐め合い)、ドラマ界(演技力のないジャニタレの主役)を、また昭和の良き時代に戻してもらいたいものである。画一化、硬直化は、メディア文化の衰退である。もちろん、パワハラ、セクハラ、モラハラ等々を根絶してコンプライアンスを徹底したうえでの話である。

 このような方向に進んでいくためにも、テレビ局はいち早く第三者委員会による社内調査をしてほしい。それなしに、ごまかして先に進もうとしても、完全な社内の浄化はできず、忖度や圧力、ごまかし、不公平不公正、癒着等々の悪が、局内の一部に必ず残るはずである。反省なしに改革や進歩は無い。