現在はわからないが、数十年前は外国人による海外を旅行する日本人の印象として、眼鏡をかけ首からはカメラをぶら下げ、なぜか前歯が出ているような似顔絵を目にしたものである。

 最近ユーチューブで、歌舞伎町や原宿、京都など日本の観光地のライブカメラや街歩き動画をぼーっと見ていることが多いが、男性外国人の3割~5割程度は、Tシャツに半ズボン姿である。日本人らしき人で、半ズボンをはいている人はまだ見たことがない。

 なぜここまで皆が同じ格好なのかと思えるほど、外国人はTシャツに半ズボン姿だ。海外の習慣なのだろうか。これ以上簡素な服装となると肌着になってしまうので、家での服装もこのような感じなのだろう。海岸ならすぐ海に入れるように簡素な格好でも納得できるが、自国や他国の街を歩く服装が室内着と同じという感覚が理解しがたい。中国人になると、体操服で海外旅行をする人も結構いる。

 なぜ日本人は、室内着で都心や観光地に行かないのだろうか。半ズボン・Tシャツや体操服で原宿や銀座のデパート、京都の寺院などを歩き回ったら、雰囲気を壊して周りの人に不快感を与えてしまうという思いからではないだろうか。確かに、日本にいるのが自分一人であったとすれば、服装などは考えないだろう。この日本人の感覚や考え方は日本独特のもので、外国人には理解できないのかもしれない。

 もちろん法的に規制などはないのであるが、法になくてもその国の道徳やマナー、思いやりの程度、そして社会常識がある。誰がどこの国に行っても、「郷に入っては郷に従え」ということが大切だろう(この諺は日本だけ?)。先日の駐日ジョージア大使の優先席問題と重なってくる。